古物商の仕入先とは?古物商の仕入から販売までサポートするツールもご紹介!
古物商をお持ちの方もこれから取得される方にも「仕入れ」は非常に重要なポイントです。
仕入れ先の優劣が最終的な売上を左右すると言っても過言ではありません。
しかし実際、仕入れを検討する中で
- どこで仕入れをすればいいのかわからない
- 古物商の仕入れの流れやルールがわからない
- 仕入業務が特定の人しかできなくて困っている
という悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。
本記事ではそのような悩みをお持ちの方に向けて、古物の仕入先や流れ、仕入のコツまで詳しくご紹介します。
また、記事後半では古物の取引をサポートするツールもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
仕入れの流れとは?古物商のルールも解説!
古物を取り扱う人の中で「古物商許可証」「本人確認」「古物台帳」などについて聞いたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
古物商として仕入れを行う上で古物商の取引ルールを知っておくことは非常に重要です。
ここからは、古物商のルールを仕入れの流れに基づいて簡単に解説します。
1.古物許可証の取得
古物商として商品の仕入と販売を行うには、盗品の流通を防ぐために基本的に「古物商許可証」が必要です。
そもそも古物商とは、古物営業法に規定される「古物」を、営利目的で継続的に売買等(古物営業)を行うことを、都道府県公安委員会より許可を受けた者をいいます。
手続きの流れは以下の通りです。
- 都道府県の公安委員会に申請する
- 申請書類を提出する(古物商許可申請表、身分証明書、住民票、略歴書、登記簿謄本等)
- 申請費を払う(19000円)
申請費は申請が許可されなかった場合にも徴収されるので注意が必要です。
申請後、書類に問題がなければ約40日程度で交付され、有効期限がなく、営業所などが変わらない限りは更新も不要です。
古物商許可がない状態で中古品を売買すると、古物営業法違反として懲役3年以下または100万円以下の罰金刑が科されることがあるため、最初に必ず取得しておきましょう。
2.仕入の実行
古物商許可証の取得後、古物の仕入れが可能になります。
仕入を行う際には、仕入商品の選定→仕入先の検討→仕入れ実行の流れで考えることがおすすめです。
高価値のものを可能な限り低価格で仕入れることを意識しましょう。
また、仕入には商品査定や交渉などの専門的な知識が必要になる場合が多々あります。
そのため事前に調べておくことや、価格査定ツールなどの利用も視野に入れておくといいでしょう。
3.本人確認
古物商は商品仕入れの際に、売却者の「本人確認」が法律で義務付けられています。
本人確認には、
- 対面で本人確認書類を提示する方法
- 非対面でツールを用いて確認する方法
- 非対面で郵送で確認をする方法
の3種類があり、ご自身の事業形態に合わせた確認方法を選ぶようにしましょう。
確認方法は、基本的に売却者の運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどの公的身分証明書を提示してもらい、氏名・住所・生年月日を確認します。
また、店舗買取や出張買取の場合も、身分証明書のコピーを保管する必要があります。
古物商が転売を目的としてメルカリやオンライン古物市場などのインターネット経由で仕入れる際にも本人確認は必要になります。
4. 古物台帳への記入
古物の取引をする際には、帳簿の記録および保存義務があります。
古物台帳とは、古物の取引内容を記録するための帳簿であり、取引日時や購入者、購入した古物の詳細を具体的に記載する必要があります。
また、警察の監査の際など過去の取引をいつでも確認できる状態にしておくことが求められます。
古物台帳には、具体的に
- 古物の取引年月日(買取、販売、交換、レンタルを行った日)
- 取引区分(買取、販売、交換など) 品目と特徴(任天堂switchなどのように具体的に記載)
- 数量(原則1品ごと)
- 代価(仕入古物の金額)
- 個人情報(住所、氏名、職業、年齢、個人情報の確認方法)
を記載し、紙の帳簿、電子媒体を問わず取引日から3年間の保存が必要です。
また、取引している古物が盗難品やコピー品であった場合には直ちに警察へ申告する義務があります。
古物商の仕入れ先とは?
古物商の仕入の流れをご説明したところで実際どのような仕入先があるのでしょうか。
古物商の仕入先は、以下の方法が代表的に挙げられます。
- 顧客からの買取
- フリマアプリ
- 古物市場
- 海外仕入
- 卸売業者からの仕入
各仕入先の特徴を理解し、自分に合った仕入方法を選ぶようにしましょう。
顧客からの買取
店頭買取や宅配買取、出張買取などの方法で顧客から直接買取を行っている古物商の方もいらっしゃると思います。
この方法は、顧客から買取相場より安価に商品を仕入れることで、原価を抑えることが可能です。
買取では、意図しない商品が持ち込まれることが多々あり、自社にマッチした集客を行う必要があります。
さらに、顧客が持ち込んだ商品の査定を専門的な知識を持って行わないと、偽物を誤って買取してしまったり、適切でない価格で査定してしまうリスクが生じます。
顧客からの買取の際には、本人確認と古物台帳への記入も忘れないようにしましょう。
フリマアプリ・中古販売
手軽に仕入をしてみたいという方には、「フリマアプリ」や「中古販売」がおすすめです。
この方法のメリットは、誰でも気軽に始められる点ですが、安定した期間や価格での購入や当たり外れが多いというデメリットもあります。
一般の方が転売目的ではなく、自分で使用するためにメルカリで古物を購入する場合、古物商許可や取引相手の本人確認は必要ありません。
しかし、生業として古物を取り扱う古物商は、メルカリのようなフリマアプリでの取引であっても、原則として本人確認、古物台帳への記入が必要です。
特にフリマアプリは匿名での取引が可能なので、本人確認を行わない事業者もいますが処罰の対象になる場合もあるので注意が必要です。
例:メルカリ、Yahoo!オークション、Amazon、トレジャーファクトリー等
古物市場
古物を安価に購入したいという方は「古物市場」がおすすめです。
古物市場とは、古物商同士が売買を行う場所のことです。
オンライン、オフライン両方があり、古物商許可証を取得していれば、家電やカメラ、古着、骨董品など、多様な古物取引に誰でも参加することができます。
古物市場は、低価格での仕入れや質の高い商品の仕入れ、古物商同士のネットワークの構築などのメリットが期待できますが、オークション方式、競り方式、入札方式など多種多様な購入方式があり、参加条件や参加費用も異なるため、先ほどのフリマアプリ等よりも少しハードルが上がります。
また、競り方式の場合、相場の価格を事前に知っておく必要があるため、メルカリでの販売を通じて経験を積み、相場を把握してから古物市場での仕入れを始めるのがおすすめです。
例:EcoRing the Auction、モノバンクネットオークション、タイムレスオークション等
海外仕入れ
安価に仕入れしたい場合や独自性の高い商品を仕入れしたい場合は海外仕入れがおすすめです。
海外仕入れは、日本では手に入りにくいユニークな商品を低価格で仕入れ、高い利益が期待できる点がメリットです。
一方で、輸送コストや品質リスク、関税手続きが必要な可能性があり、信頼できる仕入先の確保や市場査が成功の鍵となります。
海外仕入れには、海外に直接足を運んで買い付けを行う方法と、海外の古物取扱業者から仕入れるという2つの方法が考えられます。
直接海外から仕入れる場合は古物商許可は不要になりますが、日本の輸入代行業者を経由して仕入れを行う場合は古物商の許可が必要になるため注意が必要です。
例:AliExpress、GMarket、Amazon US等
卸売業者からの仕入
安定した品質や供給が必要な場合は、卸売業者からの仕入がおすすめです。
卸売業者からの仕入れは、安定した供給や割引価格が得られるメリットがありますが、最低注文数や競合との差別化が難しい点がデメリットです。
品質が安定している一方で、中間マージンが発生しコストが高くなることもあり、大量仕入れや効率化を重視する事業者に向いています。
こちらも日本国内での仕入れの際は、古物商許可証、本人確認、古物台帳への記入は必要ですが、海外からの直接仕入れの場合は必要ありません。
古物商の仕入れのコツとは?
ここまで具体的な仕入れ先についてご紹介してきましたが、結局どこで仕入れればいいのかお悩みの方もいらっしゃると思います。
そこでここからは、利益の出やすい仕入れの手順や視点についてご説明します。
仕入商品の選び方
仕入れを行う際には、まず仕入れを検討している商品の見極めが非常に重要です。
商品を見極める際には、
- 市場で需要の高いもの
- 独自性のあるもの
- 商品にかかる経費(送料、人件費、在庫管理費等)
これらの3点に気をつけ、高価値のものを可能な限り低価格で仕入れることを意識しましょう。
市場で需要の高い高価値の商品の選定には、商品の市場ニーズを把握するだけでなく、その商品を欲しがる年齢層や季節を見極め、その年齢層に合わせたフリマアプリでの販売やベストシーズンより少し前での販売などの戦略立ても重要です。
また、大型の商品や消費期限がある商品は、送料や在庫管理費が想定以上にかかるケースがあり、想定以上に利益が少なくなってしまうリスクがあります。
そのため、仕入商品の見極めの際に事前に経費について考えることが重要です。
仕入先の選び方
仕入商品を見極めた後に、仕入先の検討を行います。
仕入商品や仕入戦略によって考えられる仕入先は異なりますが、仕入先で注意すべき点は主に以下の3つです。
- 仕入価格
- 仕入れにかかる費用(送料、参加費、交通費等)
- 仕入先の信頼性、継続性
仕入れの際には仕入れにかかる費用について徹底的にシュミレーションしましょう。
基本的には仕入価格が低ければ低いほど販売時に高い利益が期待されますが、価格が低すぎる場合は商品の品質を疑い、偽物や低品質の商品の購入は避けるようにしましょう。
【一覧表】仕入れのコツと仕入先の比較
これまで説明してきた項目と前章で紹介した仕入先をもとに表を作成しました。
仕入れ方法 | 許可証 | 仕入価格 | 仕入にかかる費用 | 品質 |
顧客からの買取 | 必要 | ◯(適正価格で仕入れ可能) | 広告費+人件費 | ◯(専門的な査定で確認可能) |
フリマアプリ | 基本的に必要 | △(価格は比較的高めだが交渉次第) | 送料 | △(写真でのみの確認可能) |
古物市場(現地) | 必要 | ◯(適正価格で仕入れ可能) | 参加費+交通費+送料 | ◎(現物を確認可能) |
古物市場(オンライン) | 必要 | ◯(適正価格で仕入れ可能) | 参加費+送料 | ◯(現物もしくは写真での確認可能) |
海外 | 基本的に不要 | ◯(場合によっては安く仕入れ可能) | 送料+関税 | △(品質確認が難しい) |
卸売業者 | 基本的に必要 | ◯(一括仕入れで単価が安くなる) | 仲介料+送料 | 業者による |
※古物商許可証が必要な場合は本人確認、古物台帳への記入も必要になる。
この表はあくまで傾向を示したものですので、参考までにご覧ください。
ご自身の目的や運営方法にあった仕入先を選びましょう。
古物商が仕入れの際に直面しやすい問題点とは?
古物商が仕入れを行う際には、いくつかの課題に直面することがよくあります。
これらの課題を把握し、適切に対処することが、古物商としての成功に繋がります。
そこでここからは古物商が直面しやすい問題について解説していきます。
利益が出ない仕入価格を設定してしまった
古物商品の価格は、新品のように固定された価格がないため、商品の状態や市場のトレンド、さらに需要と供給のバランスに応じて大きく変動します。
古物商の仕入は、販売価格を考えながらの価格設定や仕入にかかる経費を考えながらの価格設定が必要です。
季節や地域によっても相場は異なるため、適正な価格を見極めるためには、リアルタイムでの市場分析が重要です。
特に、競り形式やオークション形式の仕入方法では、早いスピードで入札が行われるために勢いで仕入価格を設定してしまう危険性があります。
そのため、データやECモールをもとに事前に仕入価格について相場を理解しておくことが重要です。
偽物を仕入れてしまった
古物商品は一つ一つが異なる状態にあり、目利き力が商品の価値を正確に見極めるカギとなります。
特にブランド品や骨董品では、偽物やコピー品が混在している可能性が高いため、専門知識や経験が必要です。
コピー品を誤って仕入れると、法的リスクや信用問題が生じることもあります。
また、真贋判断が誤れば、不適正な価格で買取をしてしまい、経済的損失を招くリスクが高まります。
これを防ぐためには、社内での研修・育成や仕入サポートシステムの導入がおすすめです。
仕入れた商品が売れ残り、大量の在庫を抱えてしまった
過剰な仕入れや大量に商品が売れ残ってしまうと、保管スペースの確保や在庫管理のコストが増大し、商品の価値が低下するリスクが高まります。
特に、古物商品は経年劣化や需要変動によって価値が下がるケースが多いため、在庫の動きを適切に管理することが重要です。
滞留在庫が増えると、販売機会を逃し、資金繰りが悪化する可能性もあります。
これを防ぐためには、在庫管理システムを導入し、リアルタイムで在庫の動きを把握することや、需要に合わせた適切な仕入れ計画を立てることが不可欠です。
また、滞留期間が長い商品を自動的に抽出して値下げ対応を行う仕組みも、在庫回転率を高めるために役立ちます。
古物の仕入業務をサポートする一元管理システムReCOREとは?
ここまでで、古物商としての仕入れや仕入れ先について、問題点までご紹介させていただきました。
古物商の仕入れは覚えるべきルールも多く、専門的な知識や経験が必要な場合が多いです。
また、過去の取引データや市場相場を参照することは非常に重要であり、適正な価格での仕入れや在庫管理、販売戦略を見越した仕入れが必要になってきます。
ReCOREでは、古物商に必要な仕入れ・在庫・出品作業など、全ての業務を1つのシステムで一元管理でき、さらに得られたデータを活用して分析を行うことが可能です。
そんな古物商の取引を最適化するPOSシステムであるReCOREの機能ついて紹介させていただきます。
本人確認・古物台帳の管理機能
古物取引をする上で、本人確認た古物台帳への記入が面倒と考える方もいらっしゃると思います。
ReCOREは、株式会社ショーケースが開発・提供するオンライン本人確認ツール「ProTech ID Checker」と連携可能なeKYCシステムです。
eKYCで確認された個人情報は、ReCORE内で顧客情報として管理されるだけでなく、古物台帳としても利用できます。
さらに、過去の取引履歴を確認できるほか、顧客の特徴やメモを記録して、より適切な接客提案を行うことが可能です。
仕入価格の適正化する買取機能
仕入れや買取、販売の値段づけにお困りの方もいらっしゃると思います。
ReCOREの買取機能には、1億件以上の豊富な商品データベースがあり、特定の商品情報や元値を簡単に確認することができます。
また、「査定アシスト」機能が搭載されており、査定作業中に自社での過去の買取価格を参照できるほか、複数のECモールでの他社の商品販売価格や現在の市場価格を確認することが可能です。
これらの情報をもとにすることで、査定に不慣れな場合でも、適切な買取価格を提示することができるようになります。
自動的な在庫管理機能
ReCOREの在庫管理機能では、仕入れた商品の在庫登録から管理までをスムーズに行うことができます。
この在庫管理機能では、個品管理と型番ベースの管理や、商品の絞り込み検索機能による長期間滞留在庫の抽出が可能です。
また、一括で価格変更を行ったり、滞留在庫データを分析して傾向を把握することで、データに基づいた適切な経営判断が可能になります。
ReCOREを導入することで、複雑になりがちな在庫を分かりやすくデジタル管理できるだけでなく、データ活用により業務効率化や経営改善を図ることができるようになります。
実店舗・複数ECモールへの同時出品機能
仕入れた商品の売上を伸ばす方法の一つとして、出品モールや店舗を増やし、閲覧数を上げる方法があります。
ReCOREでは実店舗とEC間のシームレスな連携を実現することができます。
ReCOREでは、実店舗に加え、Amazon、楽天市場、Yahoo!オークション、Yahoo!ショッピング、メルカリShops、楽天ラクマ、Shopifyのうち複数のECモールへの同時出品が可能です。
ReCOREでは上記の7モールと、商品登録や在庫情報、受注情報のAPI連携がされているため、自社内で持っているECモールのアカウントを登録しておけば、同時出品の準備が完了します。
同時出品を行いたいモールを、ReCORE内の出品先項目から選択して、共通の情報を入力することで、それぞれの商品ページに自動変換されます。
国内主要7モールとAPI連携、同時出品をコスパ良く!「セルモア」
ReCOREのシステムについて詳しく解説してきましたが、弊社にはEC運用に特化した管理システム「セルモア」もリリースしています。
セルモアにも、同時出品・在庫管理・受注管理といった機能をモールの連携数や出品数に関係なく、一律月額11,000円(税込)で利用することができます。
まとめ
本記事では、古物商の仕入ルールや仕入れ先について紹介しました。
古物商のルールを把握した上で、目的に合う仕入先を選定することが非常に重要です。
また記事後半には、本人確認、古物台帳の管理、効果的な販売促進や業務効率化を同時に可能にするツールについてもご紹介しました。
導入後の運用が心配な方も、古物専門のスタッフによるサポートを受けることが可能です。
もし、ReCOREやセルモアにご興味がある方は、下記のボタンから問い合わせと資料ダウンロードをお試しください。
監修者:本荘 幸大
卒業後は株式会社船井総合研究所に入社し、ヘルスケア業界やフィットネス業界、飲食業界など幅広い業界のコンサルティングに従事。その後2022年4月より最年少メンバーとしてNOVASTOに入社し、リユース・リテール企業へのコンサルティングを行いながら社内ではマーケティングチームの立ち上げも行っている。