過剰在庫とは?問題点やジャンルごとの特徴、解決方法を徹底解説!
在庫は小売事業者やメーカーにとって必要不可欠なものであり、事業の要とも言える存在ですが、仕入れや棚卸の際、在庫管理が難しいと感じることはないでしょうか?
売り上げを大きく左右する要因の一つに「過剰在庫」という問題があります。
今回はこの過剰在庫について、
- なぜ過剰在庫が発生してしまうのか?
- 過剰在庫のリスクとデメリットって?
- 過剰在庫になりやすい商品とは?
- 過剰在庫を発生させない効果的な方法はあるのか?
ということを詳しく解説していきます。
目次
過剰在庫(在庫過多)とは
予想していた需要より多くの商品を仕入れてしまったり、在庫不足を恐れて多めに入荷してしまうなどの要因によって売れずに余ってしまっている在庫が「過剰在庫」です。
過剰在庫は、在庫が多くありすぎて保管に場所をとるというだけではなく、様々なリスクとデメリットが発生します。
過剰在庫の問題をそのまま放置していると、コストがかさみ会社経営に大きな影響を与えてしまいます。
過剰在庫には、発生する原因や発生しやすいジャンルの商品などがあり、それらを理解することで過剰在庫の削減に一歩近づきます。
余剰在庫や滞留在庫との違い
余剰在庫は、その言葉の通り「必要以上の」という意味になるため、需要を大きく上回るという意味でも、過剰在庫とほぼ同義だと考えられます。
一方で滞留在庫は、消費期限が間近であったり、不良品だったりする在庫のことを指すことが一般的です。
そのため、今後売れる可能性はかなり低く、企業の負債とも考えられます。
まとめると、
- 過剰在庫と余剰在庫はほぼ同義
- 過剰在庫と滞留在庫の違いは今後売れる可能性があるかどうか
- 過剰在庫を持ち続けることで、将来的に滞留在庫になる可能性がある
上記のようになります。
次に、過剰在庫が発生する原因について確認していきましょう。
過剰在庫が発生する原因
本来、需要と供給が合っていれば発生することはない過剰在庫。
ではなぜ過剰在庫が発生してしまうのか、それにはいくつかの要因があります。
想定していた需要予測を下回ったことによる過剰発注
1つは想定していた需要予測を下回ったことによる発注ミスです。
仕入れの段階である程度商品の需要を予測して発注をしたものの、思うように売れなかった。ということは珍しいことではありません。
商品が売れるかどうかはその時の流行、季節、メディアで取り上げられるかなど、様々な要因によって変化します。
その為、需要予測を見誤った場合は過剰在庫を生みやすくなってしまいます。
需要を完全に予測することは難しいですが、社内の過去のデータから9月〜10月はこの商品の売上が伸びるというような参考値があれば需要予測の精度を高めることができます。
社内でこのようなデータを蓄積しておくと、過剰在庫削減にも繋がります。
可能であれば、販売データを管理できるシステムなどを導入してみると良いかもしれません。
商品価値の低下
商品価値の低下によって、売れていたものが売れなくなってしまうという場合もあります。
その理由は、世の中の商品に対するニーズの変化や過剰供給になっている場合など様々なことが考えられます。
しかし、そうなった場合には改めて市場調査をするなどして、なぜ商品価値が下がってしまったのかを的確に分析する必要があります。
返品在庫の増加
販売した商品が返品されて在庫となってしまった場合にも過剰在庫となります。
返品在庫は一度販売している為、すでにその分の在庫補充として新たな商品を発注してしまっていることもあるでしょう。
そうなると、返品された在庫に加えて、新たに仕入れた在庫を抱えるという事態が起こってしまいます。
お客様都合の返品というのは一定量発生するものなので避けられないところもあります。
しかし初期不良や発送間違いなどは販売側が検品の強化をするなどの対策をすれば、ある程度は防ぐことが可能です。
また、顧客が購入に至るまでのプロセスで、自社商品に対するイメージや知識が少ないことが原因で返品が起こっている可能性もあります。
その際には、自社商品のPR方法や広告で間違った訴求をしていないか、ミスリードになるような文面はないかなどの見直しを行っていく必要があります。
ECと実店舗の在庫連携不足
ECと実店舗の在庫連携が上手く行われていないことも、過剰在庫が発生する原因の1つです。
例えば、ECと実店舗の在庫情報をばらばらに管理していると、タイムラグによる商品発注ミスやEC上で売れ行きの悪い商品を多めに仕入れてしまうなどの問題が発生するリスクがあります。
また、実店舗とEC両方の適正在庫の把握が難しくなるため、販売機会の損失を抑えるために、在庫を多めに持っておくというケースも少なくないです。
在庫を多めに持っておくことが積み重なり、気がつけば大量の過剰在庫が発生しているというパターンもよくあるので、そのようなことを防ぐためにも、ECと実店舗の在庫連携を行うことは非常に大切です。
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過剰在庫のリスク・デメリットとは?
さて、ここからは、実際に過剰在庫を抱えた場合、どのようなリスクやデメリットがあるのかを詳しく解説していきます。
不良在庫が増える
当然ながら、売れずに残ってしまっている商品も時間が経てば古いものから劣化していきます。
そうなると劣化による不具合が出たり、鮮度が下がったりと、商品価値が低下して不良在庫となってしまいます。
商品価値が低下した不良在庫は値下げを余儀なくされたり、それでも売れずに売れ残りの在庫となってしまった場合には、それを保管しておくスペースが必要になったり、商品を廃棄することになればそこにもコストや人件費がかかります。
不良在庫を増やしてしまう事は大きな損失につながる可能性があると言えるでしょう。
保管費がかかる
在庫が増えれば増えるほど、それらを保管するスペースの確保や商品の状態維持のため保管の費用もかかってきます。
もし、在庫が増えて現在のスペースで足りなくなった場合には在庫のために新しいスペースを用意し、運搬することも考えられます。
このように、保管にかかる費用というのも、スペースだけではなく、運搬、人件費など思っているより多くのコストが予想されます。
資金繰りが悪化する
もし仕入れの時点で買掛金が発生していて、思うように売れず過剰在庫を抱えた場合、キャッシュフローが悪くなる原因に繋がってしまいます。
さらに、家具のような在庫管理にスペースを必要とする商品を扱っている場合には、そのスペースを確保するためにも費用が必要になります。
過剰在庫が増えると、在庫管理するための運転資金を比例して増えていくことになるため、経営に重大な影響を与える可能性も考えられます。
過剰在庫になりやすい商品とは?
リスクやデメリットを生みやすい過剰在庫ですが、過剰在庫ができてしまう商品にはいくつかの特徴があります。次はその特徴について見ていきましょう。
サイズ展開のある商品
多くのサイズを展開している店舗では、サイズによって売れ行きが異なります。
Lサイズは売り切れるのに、2XLサイズはなかなか売り切れないというように、特別なサイズ展開のある商品も過剰在庫になりやすいです。
この原因による過剰在庫を防ぐためには、事前に商品ごとの売れやすサイズ品をリサーチしてサイズによって仕入れる数を変えたりすることも効果的でしょう。
サイズ展開の多い商品は様々な顧客のニーズに答えることができる反面、過剰在庫にもなりやすいので在庫をしっかり把握して無駄な量を生産したり発注したりすることが無いようにしたいところです。
カラー展開の多い商品
カラー展開の多い商品も過剰在庫を生みやすいものの一つです。人気のカラーはその年の流行などによっても変わり、在庫の数に影響が出ます。
サイズ展開と同じく、カラーが多い商品というのは目を引きますし、顧客のニーズに答えられるという利点もあります。
その分手に取りやすい色や安定的に一売れやすいカラーと、珍しいカラーでは仕入れの数を変えるなどの対策、流行のカラーの傾向などを事前にリサーチすることが重要です。
季節ものの商品
季節ものの商品は売れ残った場合、季節が終わってしまうと売れる数が極端に少なくなります。
また来年同じ季節が来た時にはトレンドが変わっていることなどからも、季節ものの商品は売れ残ってしまうと過剰在庫になりやすいです。
もし次のシーズンなどで売れるチャンスがあったとしても、それまでの間は保管して古くならないように管理する必要があります。
保管には経費が掛かるのに加えて商品自体の経年劣化はどうしても避けられない為、結果的に処分となる事も少なくありません。処分となれば廃棄するのにも多くの費用を必要とします。
競合の多い商品
トレンドの商品は需要が多いので仕入れが多くなる傾向があります。
また、トレンドの商品は競合が多いのも特徴の一つです。競合が多いということは、自社商品を選んでもらうためのリサーチと対策が重要となります。
単にトレンドだから売れるだろうと仕入れすぎる事のないようにするのに加え、他社との差別化などの対策が重要です。
ECと併売している商品
ECと実店舗での併売を行っている商品は、過剰在庫になりやすい商品の1つです。
一見すると、実店舗とEC2つの販路で顧客にアプローチできるため、過剰在庫になりにくいと思われるかもしれません。
しかしながら、ECと実店舗で併売を行うことで、適正在庫を把握することが難しくなるため、過剰在庫が発生するリスクが高まってしまいます。
併売による過剰在庫発生のリスクを抑えるためには、ECと実店舗の在庫連携が可能なシステムなどを導入して、一貫した在庫管理を行っていく必要があります。
適正在庫とは?基本概念や計算方法、ツール選びのポイントを徹底解説
過剰在庫を防ぐためのポイントとは?
ここまで、過剰在庫のリスクやデメリット、そしてどんな商品が過剰在庫になりやすいのかを見てきました。
持っていることが決してメリットとは言い難い過剰在庫。では、どのようにすれば過剰在庫を減らすことができるのでしょうか。
ここからは、事業者にとっての不利益となる過剰在庫を少しでも減らす方法と、過剰在庫を防ぐための重要なポイント、そして在庫管理をする際の便利なツールについても具体的にご紹介していきます。
過剰在庫の可視化
まず最初のポイントは、過剰在庫の可視化です。
過剰在庫を作らないためには、現状で在庫がどのくらいあるのか。ということを明確に知っておく必要があります。
商品ごとのカラーやサイズが分かりやすく分類され、可視化され、いつでも確認できる状態となっていれば余分な在庫を作るリスクは大きく減らすことができるでしょう。
正確な需要予測
発注をする前に需要がどのくらいありそうかを正確に予測することも大変重要です。
在庫管理ができていても、実際に販売して売りさばける量の仕入れが出来なければ、過剰在庫は発生してしまいます。
その対策には、変化の多いトレンドの徹底調査や市場調査、過去のデータを参考にすることで過剰在庫を防ぐことが期待できます。
また、調査によって需要が増えそうなカラーやサイズの予測もできる可能性もあります。
そして入荷発注の数を決める際には、感覚的にではなくそれらの調査結果やデータから最適な数を算出する為に、必要なデータを管理しておくと正確な需要予測をするのに役立ちます。
生産ラインの把握
データなどの活用により正確な需要が予測出来たら発注、生産に入りますが、その後は生産ラインの把握をすることでさらに過剰在庫のリスクを減らすことができます。
現状での生産量を把握しておくことで、実際の販売量と比較ができるようになります。
販売数や倉庫や販売店にはどのくらいの在庫があるのかということに加えて、生産ラインの状況を把握しておくことで無駄な在庫を減らすことに役立ちます。
その際、ここでもデータを可視化しておくことがポイントとなります。
在庫管理システムの導入
過剰在庫を減らすためは「可視化」をすることが非常に有効だということが分かってきました。そこで、仕事をスムーズに進めるのに大いに役立つのが在庫管理システムです。
在庫管理システムを活用することで商品ごとの在庫を簡単に把握することができるのはもちろん、棚卸をシステム上で行うことも可能です。
また、鮮度管理や過去のデータから需要を予測する事ができるため、無駄な在庫を発生させない仕入れをする際にも役立てることができます。
実店舗とECの在庫情報を一元管理する
実店舗とECの在庫連携を行うことも、過剰在庫を防ぐために非常に有効な手段です。
実店舗とECの在庫連携がしっかり行われていると、何がどこでどれくらい販売されたのかを可視化することができ、必要な在庫数を明らかにすることが可能になります。
最近では、ECと実店舗の在庫情報を一元管理できる在庫管理システムも多数存在しているため、実店舗とECの併売を最大化させたい方は、実店舗とECの在庫連携が可能なシステムを導入するようにしましょう。
POS管理で店舗を効率運営!顧客・在庫情報も一元化する方法とは?
過剰在庫を防ぐための機能を搭載したPOSシステムReCORE
前述したように、過剰在庫を防ぐためには在庫管理機能を搭載したシステムを導入することが大切です。
しかしながら、在庫管理機能を搭載したシステムと一言で言ってもその種類はかなり多く、どのシステムを選んだらいいかわからないという方もいるかと思います。
本記事では、そんな方のために過剰在庫を防ぎ売上を最大化させるのにおすすめなPOSシステムReCOREについてご紹介します。
在庫管理機能
過剰在庫を防ぐためには、在庫数や滞留日数など、在庫に関するあらゆるデータを可視化し、いつでも閲覧できるようにしておく必要があります。
ReCOREには、在庫管理機能が搭載されているため面倒な在庫管理の工数を大幅に削減することができます。
具体的な機能としては、在庫数や販売金額などを同一画面上で確認することができます。
さらに、商品コードや在庫コードなどで商品を検索することや在庫の絞り込みを行うことも可能です。
これにより、大量のデータから時間をかけて商品を探し出す手間を省いたり、滞留日数の長い商品の絞り込みを行って、販売状況を改善したりすることができます。
EC出品機能
実店舗とECモール両方で併売を行っている場合、実店舗とECモールの在庫を同時に管理するのに苦労しているというケースも非常に多いです。
ReCOREでは、実店舗とECモールの在庫を自動で連動させることができるため、実店舗で商品が購入されるたびに、EC管理画面から在庫数を変更するといった手間を省くことができます。
さらに、通常だと時間のかかるEC出品業務もReCOREのECテンプレート機能や自動出品機能を活用することで簡単に行うことが可能です。
また、EC運営を行っている方なら複数のECモールへ出品を行いたいと考える方も多いかと思います。
ReCOREでは、複数モール同時出品機能を搭載しているため、Amazon、楽天市場、Shopify、楽天ラクマ、Yahoo!オークション、yahooショッピングなどのモールに同一画面上から出品を行うことが可能です。
これにより、これまでは各モールの出品画面から情報入力・写真の挿入、価格設定などを行う必要のあったものが1回で済むため、EC出品を効率良く行うことができます。
分析機能
現在庫の粗利率や利益率、店舗ごとの売上など、企業経営では分析し改善すべき数値がたくさん存在します。
ReCOREでは、カテゴリーごとの在庫回転率や粗利率はもちろん、売価・原価を管理したり、販売済みの商品がどれくらいの期間で売れたかを自動分類するABC分析を行うことが可能です。
このABC分析機能を活用することで、長期間売れなかった商品はなぜ売れなかったのか?(設定価格が高い、顧客層の需要に適していない)などの原因を分析し、経営改善を行っていくことができます。
さらに、期間別の売上分析や顧客単価分析を行うことが可能なので、1年のうち何月が売上が高くなる傾向があるというように、売上の傾向を掴み、商品の仕入れや買取数の決定に活かしていくことができます。
まとめ
今回は過剰在庫が発生するのはなぜなのか、その理由やリスクとデメリットと商品の特徴、そして過剰在庫を減らすための具体的な方法についてを解説しました。
データをまとめて管理することができる在庫管理システムであれば、効果的に過剰在庫を防ぎ、仕事の効率化も図ることができます。
過剰在庫は単に売れ残り場所をとるだけではなく、経営悪化という最も避けたい部分と大きく関係してくる重要な部分です。
多くの過剰在庫を抱えてしまう前に、在庫管理システムを活用して経営に役立ててみてはいかがでしょうか。
本記事の後半部分で紹介したリユース・リテール向けPOSシステムReCOREは、実店舗とECの在庫管理を一元管理するのに最適解とも言えるシステムです。
本記事でReCOREについてもう少し知りたいという方は、下記ボタンからお気軽にクリックし資料ダウンロードとお問い合わせをお試しください。
監修者:本荘 幸大
卒業後は株式会社船井総合研究所に入社し、ヘルスケア業界やフィットネス業界、飲食業界など幅広い業界のコンサルティングに従事。その後2022年4月より最年少メンバーとしてNOVASTOに入社し、リユース・リテール企業へのコンサルティングを行いながら社内ではマーケティングチームの立ち上げも行っている。