【売上分析ツールとは?】メリットや使い方・ポイントを徹底解説!
売上データには、事業・経営をするにあたってたくさんの情報が隠されています。
売上データの把握は自社の現状把握、今後の目標設定をするために必要不可欠です。
ツールの活用で、売上整理・分析が可能になり、販売や経営戦略に役立てる事が可能です。
また、売上だけでなく顧客満足度向上や効率的な販促活動にも繋げることができます。
本記事では、売上分析の方法やツール導入のメリット・デメリット、ツールを選ぶ際のポイントなどについて詳しく解説しています。
目次
売上分析と同時に抑えておくべき分析方法
売上分析とは、企業の事業活動によって得た売上データを、さまざまな手法によって分析を進めていくことです。
売上分析で自社の課題を把握し、今後の目標や事業計画などを明確にできます。
また、店舗全体の売上だけでなく、どんな顧客がどの商品の売り上げに貢献しているかなどといったより詳細な情報を得ることも可能です。
ここでは、売上に関するさまざまデータ分析の中でも、特に主要な5つをご紹介します。
ABC分析
ABC分析とは、商品の売上に対する貢献度を基に、3つの属性に分けて分析する方法です。
例えば、売上が最も高い商品属性をA、中程度の商品属性をB、低い属性をCという様に商品を同じ数ずつ、3つの属性に分けます。
- A属性 売上の70%
- B属性 売上の20%
- C属性 売上の10%
これによって、売れ筋の商品とそうではない商品を把握できるので、今後の適切な販売計画やマーケティング活動に役立てることが可能です。
RFM分析
RFM分析とは、「Recency(直近購買日)」、「Frequency(購入頻度)」、「Monetary(購入金額)」の3つの軸で分析を行っていく分析手法です。
これらの3つを把握することで、過去に一度だけ高額商品を購入した顧客と、頻繁に少額商品を購入している顧客を明確にできます。
RFM分析は、
- Recency:購入日の近さ
- Frequency:購入頻度の高さ
- Monetary:購入金額の合計の高さ
の3つの軸を基準に属性分けをします。
3つの項目はそれぞれ関連性があり、3つの値が総合的に高いほど優良な顧客とみなすことができます。
購入頻度が高い上に直近の購入日も短いが、合計購入額が低い場合、「RとFの値が高いがMの値が低い」といった様に表現します。
このようにRFMの3つの基準によって顧客をグループ分けすることで、顧客の購買力や店舗への貢献度を把握でき、顧客ごとに適した販売活動を進めていくことが可能です。
アソシエーション分析
アソシエーション分析とは、顧客の販売データを基に、顧客がお店で購入するカゴの中身を推測するような分析方法です。
販売データから顧客の行動パターンを分析することで、A商品を買う顧客Bの商品も一緒に買うだろうといった予測を行います。
例えば、アメリカのスーパーマーケットの有名な例として、「おむつを買った客はビールを買う」という話があります。
全顧客10万人のうち、1000人がおむつを購入しており(全体の1%)、3000人の人がビールを購入している(全体の3%)という結果が出たとしましょう。
そのうち800人がおむつとビールの両方を購入していた場合、おむつを購入した人の80%がビールを購入していたことが分かります。
それによって、ストレスの溜まる子育て世代にビールを購入している人が多いという相関関係を掴むことが可能です。
そのため、おむつの近くにビールを配置するといったような施策を行うことができるようになります。
このように一見関係のない商品同士であっても、アソシエーション分析を行うことでそれらの関連性を把握できます。
因数分解による分析
因数分解は、売上分析の手法の中で比較的手軽に行える分析方法です。
売上商品の構成要素を細かく分け、それらを掘り下げていくことで、売上の減少・増加の原因を把握できます。
例えば、売上を因数分解した場合、
売上=販売数量×販売単価と表すことができます。
さらに販売数量は、顧客あたりの購入数量×顧客数に分解できます。
つまり、売上=販売数量 × 顧客当たりの購入数量 × 顧客数と分解が可能になります。
よって、売上を上げるためには、
- 販売単価を上げる
- 顧客当たりの購入数量を増やす
- 顧客数を増やす
という3点に注力して販売、マーケティングを行っていく事が重要だという事が分かります。
売上分析ツール3選
分析ツールは、売上データを集計・可視化し、それらを分析するツールのことを指します。
これらのツールを活用すれば、複雑な集計や分析を簡単に行うことができ、分析結果に基づく販促活動を行う事ができます。
ここでは、売上の分析に活用できるツールを3つご紹介します。
CRM
そもそも、CRMとは、「Customer Relationship Management」の総称で、顧客と良好な関係を管理し、販売活動による利益を最大化するためのツールです。
CRMには、主に次の4つの機能があります。
- 顧客管理
- 顧客分析
- 営業状況管理
- プロモーション管理
顧客管理では、顧客の購買情報や単価をデータ化し、社内でその情報を管理・共有し、顧客の属性などの詳細な情報なども一元管理できます。
顧客分析では、登録した顧客データを基に、多角的な分析を行います。
営業状況管理では、顧客ごとに営業活動の段階を可視化する機能です。
プロモーション管理では、メール送信やクーポン配布など、狙った顧客に向けた販促活動を行います。
これらのようにCRMの機能を活用することで、自社のマーケティング戦略に役立てる事ができます。
エクセルを使った売上分析
多くの企業に活用されている表計算ソフトExcel(エクセル)は売上分析を行うために活用されています。
エクセルは、表や項目を自分の好みで設定できるため、多種多様な集計ファイルを作成できます。
ピットテーブルを使うことで、簡単にデータの整理を行うことが可能となっており、関数を使うことで自社で使いやすいように調整できます。
ただし、エクセルは
- ファイルを作成するのが面倒
- データ量が増えるとファイルが重くなる
- 共有する際にファイルでやり取りするため、時間がかかる
- 共有したデータが誤った操作によって消えやすい
などといった欠点がありますので、売上管理ツールを活用したデータ管理をおすすめします。
BIツール
BIツールとは、膨大なデータの中から必要な情報を簡単に取り出し、加工・分析を行うことができます。
また、売上や顧客情報、販売データ、営業状況などの必要な情報を収集できます。
それらを効率的に収集、分析できるため、事業計画やマーケティング施策に役立つだけではなく、経営判断、意思決定のスピードを上げてくれます。
売上分析ツールを活用するメリット
売上分析は自社の現状を把握するだけでなく、売上の拡大へと繋げる事が可能となります。
ここでは、売上分析ツールを使うことのメリットを3つ上げています。
収益性の高い顧客を理解できる
パレートの法則では「全体の売上の8割は、2割の優良な顧客から生み出されている」「全体の売上の8割は、2割の売れ筋商品で構成されている」と言われています。
パレートの法則を元に売上分析を実施することで、単価の高い顧客や収益性の高い商品を把握でき、効率的に売上を上げる営業やマーケティングを行う事が可能となります。
売上予測ができる
売上は時期による変動や市場動向によって変わってしまいますが、正確な売上分析を行うことで、将来的な売上の予測ができるようになります。
売上予測を誤って行なってしまうと、「在庫を抱えすぎてしまう」「生産が間に合わない」などといったリスクを生じさせてしまう事があります。
そのため定量的な売上予測を、正確なデータを基に行う必要があります。
正確な売上予測ができるようになると、在庫管理や販売活動・マーケティングなどを計画的に行う事ができるようになります。
マーケティングの効果を測る事ができる
売上分析を正確に行うことで、現在行っている施策に効果があるのかどうかを測ることができます。
それによって、どのような施策に、どれくらいの効果があるのかという事を把握できます。
例えば、テレビ広告よりもWebサイトからの流入が多い場合、お金のかかるテレビ広告よりWebマーケティングにシフトチェンジするなどといった事ができます。
また、分析によって売れ筋商品を把握することで、それらを押し出した広告を打つなどといった事ができます。
売上分析ツールを使うデメリット
ここまで、売上分析ツール導入のメリットを解説してきましたが、ここからはデメリットをご紹介します。
一定の導入費用が必要になる
売上分析ツールは、それによって売上のアップや売上予測を行う事ができますが、導入する際にある程度の費用がかかってしまいます。
そのため、自社に必要な機能を搭載しているツールを使うことが重要となります。
必要のない機能を搭載したツールを選んでしまうと、費用が高くなることに加え、システムの複雑さから従業員がツールをうまく使いこなせない事もあります。
ツール導入の際には、自社にとって必要な機能を明確にし、費用対効果の高いものを選ぶようにしましょう。
従業員の教育に時間がかかる
売上分析ツールを導入する際には、費用だけでなく人的コストがかかるということも理解しておかなくてはなりません。
例えば、ツール導入の際には、そのツールを使いこなすために従業員を教育する必要があります。
また、毎年新入社員が入ってくる場合、ツールの使い方を教育するリソースが必要となります。
これらの費用や人的コストがかかることを理解した上で、ツールを導入するかどうかを検討しましょう。
売上分析ツールを選ぶポイント
売上や顧客満足度のアップなどを行うに当たって、自社に適した売上分析ツールを選ぶことが大切です。
自社に合わないツールを導入してしまうと、売上予測や在庫管理にまで大きな影響を与えてしまうことになります。
ここでは、売上分析ツールを選ぶ際の主なポイントを3つご紹介したいと思います。
自社に必要な機能があるか
売上分析ツールは、企業ごとに求める機能が異なります。
また、同じ分析手法のツールでも、ツールによって分析結果をどう活用するかは異なります。
例えば、ECサイトを運営している企業が、Web広告の売上に対する効果を分析したいとします。
その場合、Web広告からの流入数や売上額、CVRなどを確認できるツールが必要となります。
このように、売上分析ツールごとにどのような形式の結果を得られるか、分析の詳細なデータを得られるかなどといったことにも注意して選ぶようにしましょう。
予算に適合しているか
売上分析ツールを選ぶ際に重要なポイントが、ツールにかかるランニングコストです。
ツールを選ぶ際、初期費用だけでなくランニングコストも予算に適合するかどうか判断しましょう。
最近では、無料トライアルを実施しているツールもたくさんあります。
まずは無料トライアルなどでツールの操作性や機能を確認することが、ツール選びで失敗しないためには大切になります。
分析機能以外も充実しているか
売上分析ツールを選ぶ際は、分析以外の機能についても注目しなければなりません。
例えば、実店舗などのオフラインと、ECサイトなどのオンラインを融合させて管理できるツールなどもあります。
そのようなツールを使うことで、売上や在庫・顧客情報などをオフラインとオンラインで連携させて管理できます。
それによって、実店舗での顧客の行動データを元に、自社のECサイトでおすすめの商品情報を販促するといったことなどができます。
このように、オンラインとオフラインを一元管理できるなどといった事も、売上ツールを選ぶ際には重要なポイントとなります。
売上分析ツールを効率よく活用するために
売上分析ツールを効率よく活用するにはどのようにすれば良いのでしょうか。
ここでは、売上分析ツールの使い方を3つご紹介します。
売上データの収集
売上分析を行う際には、データ収集を行う必要があります。
売上高・顧客数・顧客単価・商品単価・顧客属性・購入頻度などの、売上に関するデータと固定費や流動費などの経費を洗い出します。
それらのデータを正確に算出できると、分析をする際に大きく役立ちます。
また、マーケティング会社の資料や経済産業省や総務省などの公の機関が公表している情報を参考にすると、より客観的な分析可能となります。
顧客ニーズの把握
収集したデータをもとに顧客の購買心理や行動などを分析することで、顧客の潜在的なニーズを把握できます。
それによって、顧客のニーズと提供している商品・サービスとの不一致を防ぐことができます。
これらの不一致を減らすことで購買率や顧客満足度を上げることができ、売上アップや既存顧客の維持などを実現できます。
効果的なマーケティング活動
売上分析ツールの導入により、マーケティング活動を効率的に行う事ができるようになります。
例えば、販売した商品と顧客情報を繋げて管理・分析できると、顧客のニーズに適した商品の販促・マーケティング施策を行う事ができます。
高い効果が期待できるマーケティング活動を実施する場合、多くの人員を割く事ができます。
また、売上分析を行うことでそれらのマーケティングの効果を確認できるので、試行錯誤を繰り返して最適なマーケティング活動を実施できます。
おすすめの売上分析ツールReCORE
ここまで、売上分析の手法や売上分析ツールを使うメリット・デメリットなどについて解説してきました。
売上分析ツールを使うことで、
- 顧客を理解すること
- 売上予測
- マーケティングの効果測定
が可能となります。
それによって、売上や顧客満足度のアップ、在庫の適切な管理、マーケティング施策を実施できます。
それらを実現したい方に向けて、リテール・リユース業界向けクラウド型POSシステム「ReCORE」をご紹介させていただきます。
ReCOREでは、売上分析に必要な機能を多数備えており、それらを活用することで、正確な分析可能です。
分析機能
ReCOREでは、販売・在庫・顧客などの情報を管理できるため、売上分析に必要な情報を簡単に抽出できます。
例えば、ReCOREの在庫管理では、商品の滞留日数などを基にしたABC分析を行うことができ、無駄のない在庫管理を行うことが可能です。
さらに、ReCOREでは販売・在庫・顧客などの情報を、実店舗とECモールを統合して管理できます。
これらの情報を分析することによって、適切な販売、マーケティング活動を行う事ができます。
販売管理機能
ReCOREでは、
- 商品ごとの売上の推移
- 週、月単位での集計
- 他店舗との比較
などの情報を一元管理できます。
また、在庫商品のABC分析などを行うことで、販売状況に対応した適切な在庫管理ができます。
さらに、店舗ごとに売上額や粗利額を算出したり、決算や振込などの管理をする事もできます。
これらのデータを収集し、可視化する事によって、販売に関する情報を分析でき、今後の販売活動に活かすことができます。
在庫管理機能
ReCOREでは、実店舗とECサイトの在庫を連携させて管理できます。
この機能によって、実店舗で商品が売れた場合に在庫情報をECサイト上へ反映させることができます。
反対に、店舗で商品が売れた場合に、ECサイトの在庫に反映させる機能も持っているため、在庫を別々で管理するなどの工数を削減できます。
その他にも、多店舗経営などをしている企業では、他の店舗間の在庫を連動させて管理することもできます。
それによって、ある店舗で商品が売れた際に、他店舗の在庫情報を確認することなどもできます。
さらにReCOREには、在庫状況を確認する機能もあるので、社内全体の在庫情報をジャンルごとに分類したり、在庫の滞留日数別にデータを抽出したりできます。
これらの機能によって、詳細なデータを基にした在庫管理や価格管理が可能になります。
顧客管理機能
ReCOREでは、蓄積された顧客データからRFM分析や休眠顧客分析を実行できます。
また、ReCOREは、顧客属性ごとに適した販促を可能とする会員KPIの機能を搭載しているため、実店舗とECの顧客情報を1つにまとめて管理できます。
これにより、
- 3ヶ月以内に会員になった顧客を分析
- 1ヶ月間来店のない顧客リストを出力
- 絞り込んだ属性に適したメッセージを一斉送信
することが可能です。
このように実店舗での顧客データをECと連携させることで、顧客属性ごとに適した販促活動を行うことが可能です。
まとめ
今回は、売上分析ツールのメリットや使い方、選ぶ際のポイントなどをご紹介しました。
販売・商品の在庫・顧客などの売上に関する情報を管理・分析することの必要性についてご理解して頂けたかと思います。
売上分析ツールを用いることで、自社の現状を把握でき、今後の事業計画や経営改善に大きく役立てることができます。
今回の記事をご覧になって、
- ReCOREで売上分析をしてみたい
- 自社に適した活用方法を知りたい
- 売上をアップさせる具体的な方法を知りたい
という方は、ぜひ下記のボタンをクリックしてお問い合わせや資料ダウンロードをして頂けると幸いです。
監修者:本荘 幸大
卒業後は株式会社船井総合研究所に入社し、ヘルスケア業界やフィットネス業界、飲食業界など幅広い業界のコンサルティングに従事。その後2022年4月より最年少メンバーとしてNOVASTOに入社し、リユース・リテール企業へのコンサルティングを行いながら社内ではマーケティングチームの立ち上げも行っている。