質屋は儲かる?質屋が現代最強のビジネスモデルである理由3選
質屋の開業を検討しているけど、質屋がどのような仕組みで儲かっているのかよくわからないと疑問に思っている方もいるかと思います。
リユース業界が大きく成長している昨今では、質屋の開業に興味を持つ方も少なくないのではないでしょうか。
結論から言うと、質屋は潰れないビジネスとも言われており、比較的儲かりやすいジャンルだと言えます。
今回は質屋が儲かる理由とその仕組み、そして質屋が潰れないと言われる理由についてご紹介します。
目次
質屋が儲かる仕組み
まずは、質屋が儲かる仕組みについて理解していきましょう。
質屋が行っていることは、「質預かり」と「買取と販売」の主にこの2つです。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
質預かり
1つ目は「質預かり」です。
「質預かり」とは、顧客から預かった品物に見合った金額を融資することです。
例えば、顧客が持ってきたブランドバッグの査定を質屋が行い、10万円の価値があると判断すれば、顧客に10万円融資するという流れです。
顧客は、借りたお金を返済する際に(10万円 + 利息)を支払う必要があり、その利息が質屋の収入になるというわけです。
質預かりの期間は基本的に3ヶ月以内となっていて、顧客が3ヶ月以内に「元金 + 利息」を支払いできなかった場合には、「質流れ」となり、質屋側が顧客に融資した金額で、顧客の商品を買い取るという形になります。
顧客が3ヶ月以内の元金の返済が難しい場合には、利息分だけを支払うことで借入期間を延長することも可能です。
利息を払い続けることで、返済期間を伸ばし続けることができるのも質屋の特徴です。
買取と販売
質屋が行っていること2つ目は、「買取と販売」です。
「質預かり」で、融資したお金が流質期限を過ぎても返済されなかった場合、預かっていた品物の所有権は、顧客から質屋へ移ります。
質屋では、このような品物を別の顧客や卸業者に販売することが可能になるため、貸し倒れのリスクなく儲け続けることができます。
また店舗によっては、リサイクルショップや買取専門店などと同じように、顧客が持ち込んだ商品を査定して買取を行っているところもあります。
「リサイクルショップよりも、質屋の方が査定がしっかりしてそう」という理由で質屋に買取査定を依頼する顧客も存在するため、最近では質屋の機能と買取機能両方を備えた店舗を経営している方も増加傾向にあります。
質屋が儲かる理由とは?
質屋のビジネスモデルについて理解できたところで、次に質屋が儲かる理由について見ていきましょう。
質屋が儲かる理由は、
- 利回りが圧倒的に高い
- ほぼリスクなくお金を貸すことができる
- 高額商品が多く持ち込まれる
主に以上の3つです。
利回りが圧倒的に高い
質屋 | 貸金業A | 貸金業B | |
融資に対する上限金利 | 年間109.5% | 年間15%〜20% | 年間15%〜20% |
「質預かり」が儲かる理由の1つ目は、圧倒的利回りの高さです。
金融庁直轄の貸金業では、上限金利が年15%〜20%なのに対し、質屋では融資に対する利息の上限金利が年109.5%まで認められています。
これは、質屋のビジネスモデルの特徴ならではのものです。
質屋営業法にも記載されている通り、質屋では融資した金額に対して、年間109.5%まで金利を設定することができます。
参考:質屋営業法 第三六条より
これは月当たりで計算すると、月額の金利を最大9%までを設定できることになります。
質屋では金利を払うことで返済期間を延長することができるため、顧客が金利のみを1年間支払い続けて、返済期間を延長し続けると、最大で融資した金利の109.5%までを利益として受け取ることが可能です。
また融資金額に対して、顧客が支払う金利が全て儲けになるため、他のビジネスでは実現できない利回りの高さを実現することが可能です。
ほぼリスクなくお金を貸すことができる
銀行や消費者金融の場合だと、融資したお金が返ってこない「貸し倒れ」のリスクがありますが、質屋ではほぼリスクを負うことなくお金を融資することができます。
前述したように、質屋では顧客が3ヶ月以内に「元金 + 利息」を支払いできなかった場合には、質屋側が顧客に融資した金額で、顧客の商品を買い取るという形になります。
そのため、万が一融資したお金が返ってこなくても、顧客から預かっている品物を販売することでお金を回収することができます。
小さなリスクで儲け続けることができることが質屋が儲かると言われている理由の1つです。
高額商品が多く持ち込まれる
買取専門店は「商品を買い取ってもらう場所」なのに対し、質屋は「お金を借りる場所」です。
当然質屋で多くのお金を借りるためには、それ相応の価値のあるものを預ける必要があります。
そのため、質屋は買取専門店よりも高額商品が多く持ち込まれる傾向にあります。
一方買取専門店では「いらないものを処分してお金に変えたい」という顧客ニーズが多く、比較的低単価な商品が多く持ち込まれます。
そのため、買取専門店よりも質屋の方が単価が伸ばしやすくなります。
質屋を行うことのリスク
質屋のビジネスモデルを知ると、質屋という業態にはリスクが無いようにも感じるかと思います。
しかしながら、質屋には想定しておくリスクも一応存在します。
リスクを把握しておき、そのリスクを未然に防ぐための対応を行うことで、より売上を安定させることができるはずです。
ここでは、まずは質屋のリスクについて理解しましょう。
在庫管理のための保管スペースが必要
質屋は顧客から預かった品物を大切に保管する義務があります。
品物を大切に保管するためには、保管スペースの温度や湿度を的確に保つことや、盗難から品物を守ることなどが求められます。
実際、質屋の設けるべき保管設備の基準は「質屋の質物保管設備の基準を定める規則」にて定められており、この規則に基づく保管設備の設置が、質屋の許可要件になっています。
この規則が特別厳しいというわけではありませんが、この規則に当てはまる保管設備を作るためには、一定の金額が必要になるため、質屋開業の際には注意しておきましょう。
コピー品や偽物を質預かりする可能性
質屋のリスク2つ目は、コピー品や偽物を質預かりする可能性があることです。
コピー品や偽物の品物は、販売することができません。
そのためコピー品や偽物を質預かりして、顧客が返済を行わなかった場合は、実質「貸し倒れ」になってしまいます。
コピー品や偽物を質預かりしないためには、査定の質を高める必要があります。
査定の質を高めるためには、品物や商材に関する勉強を続けていくことが大切です。
質屋は今後も儲け続けられる可能性が高い
現状のところは稼げると言われている質屋ですが、今後もその流れは続いていくのでしょうか。
結論から言うと、質屋は今後も稼ぎ続けられる可能性が高いです。
その理由は、
- 貸金業者の減少
- IR法案の可決
- リユース市場の成長
- 総量規制の施行
の4つの要因が挙げられます。
貸金業者の減少
日本貸金業協会の調査によると、登録貸金業者は平成18年3月から平成30年3月までの期間で、14,236業者から、1,770業者へと大幅に減少しています。
これはお金を融資する側の審査基準が厳しく、金利による利益が見込めなくなったことが原因だと考えられています。
総量規制の施行
総量規制とは、年収の3分の1以上のお金を貸金業者から借りることができないことを定めた法律です。
この法律が施行されたこと、そして前述した貸金業者減少の2つの要因により、お金を借りたくても借りられない人が増えてしまいました。
しかし、質屋はこの総量規制の有効範囲外なため、品物を預けることでお金を借りることのできる質屋の需要は今後も増え続けていくことが予想されています。
IR法案の可決
IRとは、Intergrated Resortの略で日本語では「統合型リゾート」と呼ばれています。
この「統合型リゾート」は、カジノや国際会議場、ショッピングモール、ホテル、展示場などの集合体のことを指します。
シンガポールでは、2005年にカジノが合法化され、質屋の件数が急激に増加したというデータもあり、日本でのIR法案の可決も質屋業界にとって追い風になることが予想されます。
リユース市場の成長
リユース市場が成長していることも、質屋が今後儲け続けられる理由の1つだと考えられます。
上のグラフでもわかるように、リユース市場は、2009年〜2021年の13年間連続で市場が拡大しており、今後もさらに市場は伸びていくことが予想されています。
業態の特性上「質預かり」と「買取」両方を行っている質屋では、リユース市場の成長はほぼ間違いなく追い風になります。
以上の4つの理由から、質屋は今後も稼ぎ続けられると考えられています。
また、不景気が続く日本経済の中では、「今お金が必要」というニーズも増加することが考えられるため、今後も質屋はなくてはならない重要な存在だと言えます。
質屋がクラウド型POSシステムReCOREを活用するメリット
リユース向けPOSシステムReCOREでは、リサイクルショップや買取専門店、出張買取、質屋などの様々なリユース業態に対応できる機能が搭載されています。
質屋は歴史のある商売ですが、現代社会においては質屋の機能は多様化しており、単なる貸金業ではなく、買取、販売までの機能を備えた質屋が求められています。
ReCOREでは、査定、質預かり、出質、そして質流れ、さらには在庫管理やEC出品までを一元化できるシステムです。
ReCOREを導入することで、次世代型質屋の実現を目指すことが可能になります。
今回は、質屋がReCOREを活用するメリットについて、詳しく解説していきます。
質機能をまるっと対応可能
質屋には、他の業態とは異なり「査定」「入質」「出質」「流質」などの特殊な過程が存在します。
そのような業務の中で、質預かりから質流れまでの在庫管理を全て一元化したいと考える方もいるかと思います。
ReCOREでは、質屋が抱える業務を効率化するための質機能を搭載しています。
ReCOREの質機能では、品物の「査定」から「入質」「出質」「流質」までを一気通貫で行うことが可能です。
さらにReCOREでは、顧客管理機能も搭載しているため、預かる商品属性や顧客属性を把握し、チラシや販促活動に活かすことも可能です。
ReCOREでは、顧客管理機能から顧客の属性を絞り込み、SMSやメルマガ、LINEなどを用いて販促メッセージを配信することもできます。
ReCORE1つで、質屋の基本的な機能から販促活動までを実施できるため、業務効率化と業績の向上を実現可能です。
質流れした品物をReCORE内でそのまま在庫として管理可能
これまでの質屋では、質流れした品物を手動で在庫管理表で記録していくというアナログな管理方法を行っていました。
しかしながら、品物が質流れするたびに在庫管理表に記録を行っていては、時間と工数がかかるだけでなく、優先度の高い作業を行う時間が短くなってしまいます。
ReCOREでは、質流れした品物は、自動的に在庫として登録されるため「どの商品が質預かりの状態」で「どの商品が質流れした自社の在庫なのか」を直感的に把握することができます。
また、質屋とは別に買い取った品物を販売する機能を備えた店舗を運営している場合には、店舗間の在庫連携も可能になります。
ReCOREの在庫管理機能では、どの店舗にどの商品が何個あるのかが理解できるため、在庫管理の工数を大幅に削減することができます。
買取査定業務の属人化を解消できる
買取査定を行うためには、本物か偽物かを判断する真贋判定やその商品がいくらで販売できるかを判断した上で買取額を決める目利きの力が求められます。
一般的に1人で査定業務ができるようになるためには、業界や商材に関する知識や経験が必要になることから、買取査定業務が属人化してしまい、社内に買取査定業務を実施できるスタッフが不足しているというケースも珍しくありません。
一部の質屋ではリユース品の買取販売も行っており、この買取査定業務の属人化から脱却したいと考えている経営者の方も多いのではないでしょうか。
ReCOREの買取査定機能では、ECモール上で販売されている同一商品の最低価格を参照することが可能です。
また、データを社内で蓄積していくことで、過去に売買を行った履歴を確認することも可能になるため、商材に関する知識や経験が不足していても、買取査定業務を行うことが可能です。
ReCOREの買取査定機能を活用することで、誰でも買取査定を行うことができるようになるため、買取査定の属人化解消を実現することができます。
ReCORE内から複数のECモールへの同時出品が可能
質屋で質流れになった商品を、メルカリやYahoo!オークション、Amazonや楽天市場などのECモールに販売したいというケースもあるかと思います。
現在ReCOREでは、Amazon、楽天市場、メルカリShops、楽天ラクマ、Yahoo!オークション、yahoo!ショッピング、Shopifyなどの複数ECモールへ同時出品を行うことができます。
質屋で質流れになった商品はReCORE上でそのまま在庫として管理され、在庫として管理している商品をそのまま複数のECモールへ出品することが可能になります。
これまでは質流れになった商品は、在庫管理表に記入し、1つずつ各ECモールへ出品を行っていたかと思います。
しかしながら、ReCOREを活用することで、EC出品にかかる時間を減らすことができるため、より多くの商品をECに出品できるようになり、売上を向上させることが可能になります。
EC出品を強化したい方はまず一度セルモアを使ってみませんか?
ReCOREは確かに便利だけど、いきなりPOSシステムのような大掛かりなシステムを導入するのには少し抵抗があるという方もいるかと思います。
セルモアでは、ReCOREに搭載されている複数EC同時出品機能やECテンプレート機能、在庫同期機能、受注管理機能などのEC運営に必要な機能のみを搭載したシステムです。
比較的小規模の店舗や個人事業主の方にも導入してもらうために、セルモアでは月額11,000円(税込み)で活用することができます。
11,000円の固定金額となっているため、せっかくのECの売上がシステム利用料で相殺されることもありません。
さらに事前に仕様を確認しておきたいという方や、運用開始する前に社内の運用方法を確認しておきたいという方向けに、最初の1ヶ月は無料でお試し利用することも可能です。
セルモアについて、興味のある方は以下のバナーから、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
銀行や消費者金融のような貸金業の場合だと、融資したお金が返ってこない「貸し倒れ」のリスクがありますが、質屋ではほぼリスクを負うことなくお金を融資することができます。
さらに、リユース市場の成長やIR法案の可決などの外部要因も合わさり、今後も稼ぎ続けられる可能性が高い業種だと言えます。
現代の質屋は、質預かりと買取販売のハイブリッドで収益率を高める動きが活発になってきており、買い取った商品をECに販売できるシステムを導入する動きも盛んになってきています。
本記事の後半で紹介したReCOREは、基本的な質機能だけでなく、質屋で預かった商品の在庫管理やEC出品、顧客管理までを全て1つのシステムで完結させることができます。
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監修者:本荘 幸大
卒業後は株式会社船井総合研究所に入社し、ヘルスケア業界やフィットネス業界、飲食業界など幅広い業界のコンサルティングに従事。その後2022年4月より最年少メンバーとしてNOVASTOに入社し、リユース・リテール企業へのコンサルティングを行いながら社内ではマーケティングチームの立ち上げも行っている。