トレカとは?TCGマーケットの歴史や店舗経営のノウハウをご紹介
トレカは、人気Youtuberやインフルエンサーが趣味の延長線上で拡散されていることもあり、ゲーム性だけではなく資産価値という新たな側面が注目されるなど、近年何かと話題が耐えません。
2022年現在秋葉原や日本橋はもちろんのこと地方でも新規出店が軒並み相次ぎ、マーケットが日々拡大して来ています。
本記事では、そんなトレカのマーケットの歴史から今にいたるまでを取り上げてみようと思います。
目次
トレカとは?
トレカとはトレーディングカードの略で、カードを収集することや交換する事を目的としたカードのことです。
トレカの具体例としては、スポーツ選手やゲームのキャラクター、アイドルなど様々なものが存在しています。
トレカと一緒に覚えておきたい単語としては、TCGが挙げられます。
TCGとは、トレーディングカードゲームのことで、販売されている専用トレカを用いて行うカードゲームのことを指します。
トレカとTCGは似ているようで非なるものなので、両者の違いについて抑えておきましょう。
マーケットの変化
トレーディングカードゲームの発祥
トレカの発祥は、1993年にアメリカのWizards Of The Coast社によって作られたカードゲーム「Magic:The Gathering」だと言われています。
初版はゲームコンベンションで瞬く間に完売したと言われるほどでした。
日本での発展
Magic:The Gatheringは日本でも秋葉原を中心に当時にサブカルチャーの一貫としてボードゲームなどを扱う書店やホビーショップに輸入されたのが始まりです。
プレイヤーたちの口コミで少しずつプレイ人口は増えていきました。
そして95年には日本でも大規模な大会が開かれ始め雑誌などにより全国に普及し、翌年96年には日本語版も発売されるなど、人気に火が着き始めます。
国産トレカの出現
そんなMagic:The Gathering人気に影響され、同年96年には日本初の国産トレカが産声をあげます。
それが現在専門店もちらほら出始めた「ポケモンカードゲーム」です。
当時の少年誌やポケモンブームに乗り、ポケモンカードは瞬く間に人気ゲームの1つとなります。
そしてその直後、国産トレカの座を揺るがないものにしたのが「遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム」(以下:遊戯王)です。
「遊戯王」登場時は、社会現象とも言える状況を作りました。
「遊戯王」は、未だポケモンカードゲームと国内ツートップトレカとして並走し続けています。
トレカショップの出現
トレカで遊んでいると、「デッキに入れるために使いたいカードを規定枚数揃えるのは市販のブースターパックだけではなかなか難しいという課題」に直面します。
そこで大量にボックスを開封またはカードを買取してリセールする形のビジネスとしてトレカショップの需要が急速に高まってきます。
Magic:The Gatheringが流行った時期から専門店は展開されていましたが、プレイヤー数・売上側面から見ても遊戯王とポケモンカードの登場で一気に活性化、全国的にトレカショップが産声をあげました。
またプレイする場所に困っていたユーザーも多く、店内にプレイスペースを設けてプレイコミュニティを形成しイベントを行い、よりトレカブームに盛り上がりに火がつきます。
トレカの乱立
2000年代初頭、Magic:The Gathering・遊戯王・ポケモンが流行する中、やはり他メーカーも追従してきます。
例えば、ブロッコリー社の”アクエリアンエイジ”、バンダイの”ガンダムウォー”など、キャラクター版権を活かしつつもゲーム性の高いものがリリースされました。
このころは、「第一次トレカブーム」と言っても過言ではないほど、当時の市場の熱気は凄まじいものがありました。
前述タイトルは残念ながらサービスアウトしてしまいましたが、とても根強いファン達に支えられていたのは事実です。
そんな中2002年、Magic:The GatheringのメーカーであるWizards Of The Coast社とタカラ社(現・タカラトミー社)より、「デュエル・マスターズ」がリリースされました。
デュエルマスターズは、Magic:The Gatheringを若年層向けにアレンジしてわかりやすく・遊びやすくしたもので、一気に人気を集めました。
ポケモン同様に当時の少年誌の漫画タイアップのゲームのため、一気にブームは加速し、気づけばトレカといえば「遊戯王・デュエルマスターズ」の2強のような状態になっていました。
この頃には元祖トレカのMagic:The Gatheringも少し熱が引き鎮静期間へ突入します。
また、ポケモンもお世辞にも当時と同じような人気とは言えないような状況になり、トレカ店での取り扱いは減少、扱いを取りやめたお店も多くありました。
新型コロナウィルスによる巣篭もり需要
巣篭もり需要で今までトレカをプレイしていなかった層が、Youtuberの影響で自分の持っている昔のカードを漁る動きも見られるようになりました。
同時にメルカリを始めとしたフリマアプリが流行し、個人間売買が盛んになったのもきっかけの1つだと考えます。
それらもまた、この「第二次トレカブーム」に火をつけた要因と言えます。
そしてこの頃のプレイヤーを取り巻く遊ぶ環境はリアルではなく、Discordなどを用いた環境に変化をしますが、トレカの面白さである対面での対戦にはどうしても見劣るものがありました。
ユーザーは刺激を求めているのに変わりはありません。
そんな中、古くから鑑定期間として存在していたPSAが大きく日の目をみることになります。
PSAとはトレカの鑑定機関で、元来はベースボールカードの鑑定からスタートした機関です。
プレイができない→カードの売買は熱気を帯び続ける→PSA鑑定に出す→コレクター層が生まれる=カードに資産価値が見出される
上記の流れからトレカは資産価値を見出され、特定のカードの単価自体が跳ね上がります。
プレイが満足にできずにいたユーザー達がこの流れに乗る形に変化していきます。
各トレーディングカードに起きた変化
Magic:The Gatheringの復興・”当時のプレイヤー”の復活
日本では少し衰退気味にあったMagic:The Gatheringもテコ入れによりプレイヤー数が回復します。
国内販売元がタカラトミー(現在はWizards社日本法人)に変わったこともあり、コンビニでの拡販やルールの簡略化により、元の深いゲーム性は維持しつつも新規ユーザーが入りやすいゲームへと変化します。
そして2010年代になると90年代後半頃に小学生で満足にカードを揃えて遊ぶことができなかった層が社会人になり当時のカードでも使えるものはあるし、また遊んでみるかという層が出てきます。
お財布事情が当時とは大きく異なり、自分のお金でシングルカードも沢山買えることから20代ユーザーを中心とした動きが出てきたこともトピックの1つです。
また同様に遊戯王やデュエル・マスターズなどで遊んでいたプレイヤーも復活する流れとなりトレカ業界はまた活気に包まれることになります。
ポケモンカードの再興
新型コロナウィルス発生から前後2年で、トレカ業界やポケモンカードは大きく動きます。
10数年間なんとも言えないポジションを維持し続けてきたポケモンカードが一気に日の目をみることになります。
1つ目にはソーシャルメディアの発達。
Youtuber達が楽しくプレイしているのを見て、遊んでみたいと思い、参入するユーザーが増えてきました。
2つ目にはゲーム性の単純化。
Magic:The Gatheringも通った道ですがプレイする前にルールが複雑で心が折れてしまう人が多かった訳ですが、そこをクリアにしてプレイヤーの新規層の囲い込みに成功。
そして最後にプレイヤーのリバイバル。
これもMagic:The Gatheringであった通り、当時小学生くらいのプレイヤーが満足にカードを買える環境になったのが大きな要因だと考えます。
ブースターパックは満足に行き渡らず、逆にプレミア感を増し玩具店やコンビニには解禁時間に並ぶ姿もみられるほど、ポケモンカードの人気は復活する形となりました。
ショップ側に起きた市場変化
新店の急増と異業種参入
コロナウィルスの流行が少し落ち着いた2022年ころからこのビッグウェーブに乗るしかないとばかりに新規店舗が店舗を増やし始めます。
もともとはプレイヤー・コレクター層の参入が始まりました。
個人売買を続けてきた方々が主になるため、開店からユーザーの心を掴み取るような動き方が出来ているように見受けられます。
またこの第二次トレカブームではリユース業界も参戦が始まります。
リユース業界とトレカ業界は密接な関係・立ち位置・商習慣にありながらも業界自体と親和していた訳ではなく、リユース業界自体のトレカ参入は出足が鈍い状態でした。
出足が鈍い要因としては、今まで歯止めをかけていた「業務内容がノウハウのある特定の従業員のみでしか実行できない属人化」よりも売上や集客力が確かだと踏んだのが大きな理由ではないでしょうか。
郊外型の大きなリユース店舗ではトレカ導入後売上がアップした、顧客リピートが増加したという話もあることから、今後もリユース業界では、トレカ参入が進んでいくことは間違いないでしょう。
新しい売り方”オリパ”販売
第二次トレカブームでは新しい売り方が定着したのも事実です。
トレカ業態では新品の未開封品「ブースターパック」を買ってランダムに入っているカードを集めていくか、シングルカードで好きなカードを買っていくのが主流でした。
ですが今回のブームの中でオリジナルパックや、Mystery Box、(略称オリパ)と呼ばれるものが登場・定着します。
実際は90年代より存在していた売り方ではあるのですが、くじ引き形式の1000円程度なもので還元率も比較的売価に近いと言った形のいわばユーザーはあまり買いたがらないような商材であったことも確かです。
ですが今回のブームの中では高価かつより還元率の高いものが出てきます。
カード単価自体が¥10,000を超えてきているものも多く、これらの高額カード達が多く投入される格好です。
刺激を求めていたユーザーたちもこれに飛びつき、安価で大きなリターンが得られるオリパは販売開始前から列に並ぶようになりました。
買えたユーザー達は結果に一喜一憂し、買えなかったユーザー質は肩を落として帰路につく・・・なんて光景も今では珍しくありません。
トレカ店で取り扱われているカードゲームの種類
2022年現在、主に以下のようなカードゲームの種類が取り扱われております。
カードタイトル | 概要 |
ポケモン | 新規店舗が専門店として開く傾向あり |
遊戯王 | 既存店から新規店にまで、専門店以外で取り扱っていないところなし |
デュエル・マスターズ | 一時よりは勢いが落ち着いたものの、未だ根強く専門店以外では取り扱われている |
Magic:The Gathering | カード種類が多すぎることから専門性が高くなるため専門店が主体。 専門店の代表例としては、HARERUYAなどが挙げられます。 |
ヴァイスシュヴァルツ | 一部のコア層が多い地域のお店で扱われている。 |
Shadowverse | 20年代からの新規参入タイトルながらも多くのお店で取り扱いされている。 高額カードもちらほら出てきている。 |
ワンピース | 22年新規参入大型タイトル。 話題性が大きく取り扱い店舗が徐々に増えてきた。 高額カードも非常に多く、参入を決める店舗が増加中。 |
平均的なトレカ店舗のタイトル取扱比率
2022年現在のトレカ店舗はポケモン・遊戯王を中心に構成されているものの、お店や地域、ユーザー(コミュニティ)によって多少の変化があるイメージです。
トレカ市場の平均比率として、参考にしてもらえると幸いです。
トレカ店の運営スタイルについて
トレカ店=プレイスペースがあるのが従来普遍的な売り方とされてきましたが、2020年代に大きな変化が訪れます。
もちろん従来より小スペース運営のためにプレイスペースをカットして販売買取に特化したお店もありましたがそれが顕著になってきました。
秋葉原や日本橋という立地上、あまり店舗面積を確保出来ない側面があるもののそれを必要としない店舗が出てきています。
それが「コレクタブル」に特化したお店です。
プレイ用のカードは扱わずに高額カードのみを取り扱うので面積的にも圧迫せず省スペースでの開業が可能です。
トレカ店を運営するには?
実際にトレカ店を運営したいと考えている人もいるかもしれません。
ここからは実際にトレカ店をスタートするにはどんな準備が必要なのかを簡単にお話していきたいと思います。
トレカ店を始めるには?
トレカ店を始めるために必要なものは、
- 卸売元
- 仕入れ元
- POSシステム
- 販路の確保
- スタッフの確保
- 物件
- 什器
- ノウハウ
- 古物商免許
少なく見積もってもざっくり上記のものです。
POSシステムはリユース業態に対応できるもの、そしてEC出品などを利用して販路の確保を行うことが大切です。
また、トレカ店を始めるためには、古物商免許の取得が必要になります。
どんなコンセプトでスタートする?
一言で、トレカ店と言っても、そのコンセプトは様々です。
一般的なトレカ店のコンセプトとしては、
- タイトル専門店
- 総合タイトル専門店
- 宅配買取専門店
- オリパ専門店
- 買取専門店
などが挙げられます。
しかしながら、選択肢はとても多いのでしっかりとしたコンセプトを決める必要があります。
立地やターゲット層によって、このコンセプトを柔軟に変化させるのも1つのポイントです。
トレカ店を始める際のノウハウはどうする?
個人的にトレカの売買を行っていた人であれば相場感などは持っているでしょうが、もちろん投機と聞いてスタートする人もいると思います。
相場変動への対応・スピード感が最重視される業種であるので何かしらのソリューションを持ってスタートすることが重要です。
弊社では、トレカ市場の知見を持ったコンサルタントが複数在籍しています。
トレカ市場への参入やトレカ店を始める際のソリューションが必要な方はお気軽にご連絡ください。
トレカ店を運営するメリット・デメリット
ここでは、トレカ店を運営するメリット・デメリットをざっくりと上げてみます。
トレカ店運営のメリット
- 売買のスピードが早く、在庫消化率が高い
- 投機とみられている側面もあるため、ブランド品並みの金額の動きがある
- 日本には数少ない成長市場なので参入の余地あり
- オペレーション業態によっては、小規模から始められるのでリスクを最小限に抑えられる
- インバウンド需要(外国人観光客の消費)による売上増加が見込める
トレカ店運営のデメリット
- 査定などは属人化しがちのため、スタッフの能力に依存してしまう
- 回転率が早いため、査定スピードとクオリティを求められる
- カード自体が反る、傷つきやすいため取扱が難しいものがある
- 価格スピードの変更が著しいため、価格変更オペレーションが煩雑
誰でもトレカの買取査定が出来るReCORE×TAYSの強力連携
「TAYS」は、古本市場でおなじみの株式会社テイツー様が開発したトレカ査定システムです。
スキャナを通すだけでカードの判別から買取・販売価格までが出てきますのでスタッフの査定力・知識に依存しない次世代のシステムです。
一方リユース向けクラウドPOSシステムReCOREは、大手トレカ店から小さなトレカ店までさまざまなトレカ店にご利用いただいているシステムです。
弊社のシステムであるReCOREと「Tays」が連携を行うことで、未経験のスタッフでも簡単に商品登録、トレカの買取、在庫管理から販売までを一気通貫で行うことができます。
またトレカ向けに、オリパ作成機能や買取表自動生成ツールも2023年リリース予定です。
今回は、ReCOREとTaysが連携したことで、具体的にどのようなことができるようになったのかをご紹介します。
専門知識がなくても簡単にトレカ査定を行うことが可能
トレカの査定には、専門知識が必要になるだけでなく、膨大な量を査定するのは時間がかかるものです。
ReCOREでは、トレカ自動査定システムTaysと連携を行っているため、専門知識がなくても簡単にトレカ査定を行うことが可能です。
また、査定が行われたトレカの情報は自動的にReCOREのデータベースに保存されるため、査定・買取・EC出品までを一気通貫で行うことができます。
トレカ事業に参入したいと考えている事業者様の参入障壁を下げることが可能なので、興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。
Tay × ReCOREの連携についてもう少し詳しく確認する
メルカリShopsやラクマなどの複数ECモールへの出品が簡単
ReCOREでは、メルカリShopsや楽天ラクマ、Amazon、楽天市場、Shopify、Yahoo!オークションなどの複数のECモールに同時に出品を行うことができます。
これまでは、各ECモールでそれぞれ出品作業を行っていた企業でも、ReCOREを導入することで出品作業を1回で済ませることが可能になるため、出品工数を大幅に削減することができます。
また、メルカリやラクマなどのフリマアプリの場合、出品する時間帯も売れ行きに関わる大切な要素になるかと思います。
ReCOREでは、自動出品機能もあるため、あらかじめ設定したEC自動出品のルールに基づいて、自動でEC出品を行うことができます。
例えば、「出品登録が行われた日から3日後の19時に出品を行う」という設定をおくことで、狙った時間帯に自動で出品を行うことが可能です。
実店舗とECの在庫連携を自動化
実店舗とECで両方で販売を行う併売を考える事業者の方も多いかと思います。
併売は、商品の露出量や販売機会の増加が見込める一方で、在庫管理が複雑になるというデメリットも存在します。
実店舗で商品が購入されるたびに、手動でEC上の在庫数を変更するという作業は、併売を行う事業者の方なら誰しもが自動化したいと考えるはずです。
ReCOREでは、実店舗間の連携や実店舗とEC間の在庫連携を自動化できます。
この在庫管理機能により、実店舗で商品が購入されると、EC上の残り在庫数も自動的に変更されるため、手動で在庫管理を行う手間を省くことができます。
ReCOREの在庫管理機能では、在庫数などの基本情報だけでなく、原価率や滞留日数などのデータも確認することが可能です。
これにより、需要を予測した上で仕入れを行うことができるため、過剰在庫の発生を未然に防ぐことができます。
まとめ
本記事の内容で、トレカ市場は今後も伸び続けていくことが理解できたかと思います。
日本でも有数の成長市場であるトレカ市場は今後も、多くの事業者の参入が予想されています。
リユース業態は他の業界に比べると比較的参入が容易で、オペレーション構築の問題さえ解決できれば、すぐにトレカ市場に参入が可能です。
トレカ査定属人化の解消・EC販路の拡大・在庫管理の工数削減などの課題は、ReCOREを導入することで簡単に解決することが可能です。
本記事を読んでトレカ市場への参入を検討している、もしくはReCOREの導入相談を行いたいという方は、気軽にお問い合わせください。
弊社の経験豊富なコンサルタントが企業様の相談にご対応いたします。
監修者:菊地 正樹
大学在学中から並行輸入・リユース業のECに関わる。
大手リユース系企業のEC事業立ち上げ、ブランドリユースECサイトのセラーマネージャー、銀行系リユース事業の立ち上げなどを経て2020年にNOVASTOにジョイン。
小規模〜大規模までのリユースECの業績アップをメインにセミナー登壇から現場でのコンサルティングまでを幅広く行う。