クラウドERPとは?オンプレミスとの違い・メリット・選び方をわかりやすく解説

「クラウドERPとオンプレミスERPはどう違うのか」「クラウド型に移行すべきか判断がつかない」「自社に合ったクラウドERPの選び方を知りたい」――こうした疑問や悩みを抱えている企業の担当者は少なくありません。

クラウドERPとは、インターネット経由でクラウド環境上のERP(統合基幹業務システム)を利用する仕組みです。自社でサーバーを構築する必要がなく、初期費用を抑えて短期間で導入できる点が大きな特徴で、近年は中小企業を中心に導入が急速に拡大しています。

この記事では、クラウドERPの基本的な仕組みから、オンプレミス型との違い、導入のメリット・デメリット、種類、選び方のポイントまでをわかりやすく解説します。

クラウドERPとは?基本の意味と仕組み

クラウドERPは、インターネット経由で利用できる新しい形のERPです。まずはクラウドERPの基本的な仕組みや特徴、近年多くの企業で導入が進んでいる背景についてわかりやすく解説します。 

クラウドERPの定義

クラウドERPとは、ベンダーが提供するクラウド環境上で動作するERP(Enterprise Resource Planning:統合基幹業務システム)です。販売管理・在庫管理・財務会計・人事給与・生産管理といった企業の基幹業務を統合的に管理する機能を、インターネット経由で利用できます。

従来のオンプレミス型ERPが自社内にサーバーを設置してシステムを構築・運用するのに対し、クラウドERPではサーバーやソフトウェアの管理をベンダーが担います。ユーザーはWebブラウザや専用アプリを通じてシステムにアクセスするため、場所やデバイスを問わず業務を進められる点が大きな特徴です。

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クラウドERPが注目される背景

クラウドERPの市場は世界的に急成長しています。調査会社のレポートによると、グローバルのクラウドERP市場は年平均成長率(CAGR)13〜19%で拡大を続けており、2030年代前半には数千億ドル規模に達すると予測されています。

国内でもクラウドサービスの利用率は年々高まっています。総務省「令和5年版情報通信白書」によれば、クラウドサービスを利用している企業の割合は7割を超え、その利用効果を実感している企業も8割以上にのぼります。

出典:総務省「令和5年版 情報通信白書」

こうした背景には、DX推進の加速、テレワーク・リモートワークの普及、IT人材不足に伴う運用負荷の軽減ニーズ、そして経済産業省が提起した「2025年の崖」問題への対応といった要因があります。

特に中小企業では、限られたIT人材と予算の中で業務システムを刷新する必要に迫られており、初期費用を抑えて短期間で導入できるクラウドERPへの注目度が一層高まっています。従来は大企業が中心だったERP導入が、クラウド技術の発展によって中小企業にも身近な選択肢になってきたのです。

クラウドERPとオンプレミス型ERPの違い

クラウドERPとオンプレミス型ERPには、コスト構造・運用方法・カスタマイズ性などの面で明確な違いがあります。ここでは4つの観点で比較します。

初期費用と運用コストの違い

クラウドERPは自社でサーバーやネットワーク機器を用意する必要がなく、初期費用を大幅に抑えられます。月額または年額のサブスクリプション形式で利用料を支払うモデルが一般的で、中小企業でも導入しやすいのが特徴です。

一方、オンプレミス型はハードウェアの購入やライセンス費用に加え、導入コンサルティング費用もかかるため、初期投資が数百万〜数千万円規模になるケースがあります。ただし、長期運用を前提にすると月額費用が発生しない分、トータルコストではオンプレミス型が有利になる場合もあります。

カスタマイズ性と拡張性の違い

オンプレミス型ERPは自社の業務フローに合わせた自由なカスタマイズが可能で、業種固有の要件にも柔軟に対応できます。一方、クラウドERPはベンダーが提供する標準機能をベースに利用する形態が基本で、カスタマイズの自由度はオンプレミス型に比べて限定的です。

ただし、近年のクラウドERPはAPI連携やモジュールの追加・変更が容易な設計になっており、拡張性の面ではクラウド型の方が優れているケースが増えています。事業規模の変化に応じてユーザー数やストレージ容量を柔軟に変更できる点は、クラウドERPの大きな強みです。

運用・保守の負担の違い

クラウドERPでは、サーバーの管理・監視、システムのアップデート、セキュリティパッチの適用など、運用・保守の大部分をベンダーが担います。自社にIT専任者がいない中小企業でも安心して運用できる点は大きなメリットです。

オンプレミス型は運用・保守をすべて自社で行う必要があり、サーバーの監視やバックアップ、障害対応などに社内リソースを割かなければなりません。IT人材が限られている企業にとっては大きな負担になります。

セキュリティの違い

「クラウドはセキュリティが不安」というイメージを持つ方も多いですが、現在の大手クラウドERPベンダーはISO/IEC 27001やSOC2といった国際的なセキュリティ認証を取得しており、自社運用よりも高水準のセキュリティ環境を提供しているケースが少なくありません。

一方、オンプレミス型は自社のセキュリティポリシーに完全に準拠した設計が可能で、データの物理的な管理場所も自社でコントロールできます。規制が厳しい業界ではオンプレミス型が求められる場合もあります。

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クラウドERPの3つの種類

クラウドERPにはインフラの利用形態によって3つの種類があります。それぞれの特徴を理解し、自社に適した方式を選択しましょう。

パブリック型(SaaS型)

パブリック型は、ベンダーが用意した共有のクラウド環境上でERPを利用する方式です。複数の企業が同一のインフラを共有するため、初期費用が最も安く、導入期間も短いのが最大のメリットです。

サーバー管理やセキュリティ対策、システムのアップデートはすべてベンダーが行うため、自社でのIT運用負荷がほぼ発生しません。中小企業がクラウドERPを導入する場合は、このパブリック型が最も一般的な選択肢です。

プライベート型

プライベート型は、自社専用のクラウド環境でERPを運用する方式です。パブリック型と異なり、他社とインフラを共有しないため、セキュリティやカスタマイズの自由度が高いのが特徴です。

ただし、自社専用の環境を構築・運用するため、パブリック型に比べてコストは高くなります。高度なセキュリティ要件がある企業や、独自の業務フローに対応したカスタマイズが必要な企業に適しています。

ハイブリッド型

ハイブリッド型は、パブリック型とオンプレミス型(またはプライベート型)を組み合わせた方式です。たとえば、機密性の高い情報はオンプレミスで管理し、その他の業務はパブリック型のクラウドERPで処理するといった使い分けができます。

両方の長所を活かせる反面、2つのシステム間の連携設計や整合性の管理が必要になるため、運用の複雑さが増す点には注意が必要です。

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クラウドERP導入のメリット

クラウドERPは、インターネット経由で利用できる新しい形のERPです。まずはクラウドERPの基本的な仕組みや特徴、近年多くの企業で導入が進んでいる背景についてわかりやすく解説します。 

初期費用を抑えて導入できる

クラウドERPの最大のメリットは、初期費用を大幅に抑えられる点です。サーバーやネットワーク機器の購入が不要で、月額課金制のサブスクリプションモデルで利用できます。

中小企業にとって数百万〜数千万円の初期投資は大きなハードルですが、クラウドERPなら月額数万円から導入可能なサービスもあり、資金面のリスクを最小限に抑えてスタートできます。

場所を選ばずアクセスできる

クラウドERPはインターネット環境があれば、オフィス・自宅・出張先など場所を問わずシステムにアクセスできます。テレワークやリモートワークへの対応はもちろん、多店舗展開している小売業では、各店舗の売上や在庫状況を本部からリアルタイムで確認できます。

スマートフォンやタブレットからのアクセスにも対応しているサービスが多く、外出中でも必要なデータをすぐに確認できる点は、日々の業務効率を大きく高めます。

常に最新機能を利用できる

クラウドERPでは、法改正への対応や新機能の追加といったアップデートをベンダーが自動で適用します。ユーザーは追加作業なしで常に最新の状態でシステムを利用できます。

オンプレミス型ではバージョンアップのたびにコストと工数が発生しますが、クラウド型ならその負担がありません。インボイス制度や電子帳簿保存法など、法制度の変更が頻繁な現在の経営環境では、この自動更新の仕組みは非常に大きな価値があります。

BCP(事業継続計画)対策になる

クラウドERPのデータは、ベンダーが運用する堅牢なデータセンターに保管されています。自社のサーバーが災害や停電で被害を受けた場合でも、クラウド上のデータは安全に保護されます。

また、定期的なバックアップが自動で行われるため、データ消失のリスクも極めて低くなります。どこからでもアクセスできるクラウドERPなら、出社が困難な状況でも業務を継続できるため、BCPの観点からも有効な選択肢です。近年は自然災害や感染症など予期せぬ事態が増えており、事業継続の観点からクラウドERPを選択する企業も増加しています。

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クラウドERP導入のデメリットと注意点

メリットの多いクラウドERPですが、導入前に把握しておくべきデメリットや注意点もあります。

カスタマイズの自由度が低い

パブリック型のクラウドERPは、ベンダーが提供する標準機能をベースに利用するため、自社独自の業務フローに完全に適合させるカスタマイズが難しい場合があります。

ただし、この制約は「業務をシステムに合わせる」Fit to Standardの発想で業務プロセスを見直す機会にもなります。また、業種特化型のクラウドERPを選べば、自社の業界に必要な機能が標準で備わっているため、カスタマイズの必要性自体を大幅に減らせます。

ネットワーク環境に依存する

クラウドERPはインターネット経由で利用するため、ネットワーク障害が発生するとシステムにアクセスできなくなるリスクがあります。

このリスクを軽減するためには、回線の冗長化(複数のインターネット回線の確保)や、モバイル回線によるバックアップ接続の準備が有効です。また、主要なクラウドERPベンダーは99.9%以上のサービス稼働率(SLA)を保証しているため、サービス側の停止リスクは極めて低いのが実情です。

長期利用時のコスト累積

クラウドERPは月額課金制のため、長期間利用するとトータルコストがオンプレミス型を上回る可能性があります。特に利用ユーザー数が多い企業では、ユーザーライセンス費用が積み重なるため注意が必要です。

導入前に5年・10年単位でのトータルコスト比較(TCO分析)を行い、費用対効果を見極めることが重要です。ただし、自社でのサーバー保守・IT人材のコスト・バージョンアップ費用なども含めて比較すると、クラウド型の方が総合的に安価になるケースも多くあります。

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自社に合ったクラウドERPの選び方

クラウドERPは製品ごとに機能や対応業種、サポート体制が異なります。導入効果を最大化するために、自社の課題や業務内容に合わせた製品選びで確認すべきポイントを紹介します。 

自社の課題と導入目的を明確にする

クラウドERP選定の第一歩は、「何のために導入するのか」を明確にすることです。「月次決算を早期化したい」「在庫の売り越しを防ぎたい」「店舗とECのデータを一元管理したい」など、具体的な課題を洗い出しましょう。

導入目的が曖昧なまま製品選定に入ると、機能過多で使いこなせない製品を選んでしまったり、必要な機能が不足している製品を選んでしまったりするリスクがあります。

業種特化型か汎用型かを見極める

クラウドERPには、あらゆる業種に対応する汎用型と、特定の業種に特化した業種特化型があります。

業種特化型は、その業界ならではの商慣習や業務フローに対応した機能を標準で備えているため、カスタマイズを最小限に抑えて導入できます。たとえば小売・リユース業であれば、POS連携・多店舗在庫管理・EC併売・買取管理など、業界特有の機能がはじめから組み込まれている製品を選ぶと導入効果が高まります。

サポート体制とセキュリティを確認する

クラウドERPは長期にわたって利用するシステムであるため、導入後のサポート体制は選定の重要な判断基準です。電話・チャット・リモート操作など複数チャネルでのサポートが受けられるか、導入時のコンサルティングや運用改善の支援があるかを確認しましょう。

また、セキュリティ面では、ISO/IEC 27001などの情報セキュリティ認証の有無、データの暗号化方式、バックアップ体制、データセンターの所在地などを事前に確認しておくことが大切です。

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クラウドERPを導入するなら、小売・リユース業向けクラウド基幹システムRECOREがおすすめ

クラウドERPは、インターネット経由で利用できるERPであり、サーバーの運用や保守を自社で行う必要がないことから、多くの企業で導入が進んでいます。初期費用を抑えやすく、アップデートにも柔軟に対応できる一方で、業種によっては必要な機能が不足し、別システムとの連携やカスタマイズが必要になるケースもあります。小売・リユース業では、買取・販売・在庫・EC運営などをシームレスに管理できる、業界に特化したクラウドERPを選ぶことが重要です。

小売・リユース業向けに開発されたクラウド基幹システム「RECORE(リコア)」は、買取・仕入・販売(POS)・EC・在庫管理・顧客管理・KPI分析までを一つのシステムで管理できるクラウド型ERPです。買取や販売と同時に在庫情報が自動で反映されるため、店舗とECの在庫をリアルタイムで共有できます。さらに、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど複数のECモールと連携しており、複数チャネルを運営する企業の業務効率化を支援します。

また、POSやEC管理、在庫管理などを個別に運用している場合でも、RECOREへ統合することでデータ連携の手間を削減し、システム全体の運用負荷やコストの最適化につながります。既存の基幹システムを活用しながら、RECORE APIを利用して必要な機能だけを追加できるため、段階的なクラウドERPへの移行にも柔軟に対応可能です。

クラウドERPのメリットを活かしながら、小売・リユース業に必要な機能をまとめて管理したい場合は、業界特化型クラウド基幹システムRECOREの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

クラウドERPとは、インターネット経由でクラウド環境上のERPを利用する仕組みで、初期費用の低さ・場所を選ばないアクセス性・自動アップデートによる常時最新化など、多くのメリットがあります。

オンプレミス型に比べるとカスタマイズの自由度は限定的ですが、業種特化型のクラウドERPを選ぶことで標準機能での適合度を高め、カスタマイズの必要性自体を減らすことが可能です。選定の際は、自社の課題と導入目的を明確にしたうえで、業種適合度・コスト・サポート体制・セキュリティを総合的に比較検討しましょう。

クラウドERPの市場は年平均成長率13〜19%で急速に拡大しており、今後も「所有」から「利用」へのシフトはさらに加速していくと見込まれています。自社の競争力を維持・強化するためにも、クラウドERPへの移行は早めに検討を始めることをおすすめします。

小売業やリユース業でクラウドERPの導入を検討しているなら、業種特化型のクラウド基幹システム「RECORE」をぜひご検討ください。買取からPOS、EC連携、顧客管理、KPI分析まで、小売・リユース業に必要な業務を一つのクラウドシステムで完結できます。

PROFILE

CEO/セールスコンサルタント

佐藤秀平

1992年7月1日生まれ。大阪教育大学卒業。在学中小中高の教員免許を取得しながら、リユース業とコンサルティング業を主体とする会社を設立。その後、会社を解散し、株式会社船井総合研究所に新卒入社。幅広い規模のリユース企業のコンサルティングを手がけ経験を積む。2016年10月31日に株式会社NOVASTOを立ち上げ、代表取締役に就任。2017年12月に船井総研を退職し、NOVASTOに専念。業界紙リサイクル通信のコラムを執筆中。

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