インボイス制度対応のレジ導入に使える補助金を中小企業向けに解説
政府の新たな取り組みとして「インボイス制度」が導入されることはご存知かと思います。
中小企業でインボイスに対応を考えている方の中には、
・レジの変更を手間かけてまで行うべき理由は?
・レジ変更を格安で行える補助金があるけど、種類と受給方法は?
・レジ変更以外にするべきことは?
などの疑問をお持ちの方が多いのではないでしょうか?
ここからは、それぞれの疑問を解消するために、内容変更の詳細や補助金の種類と受ける方法、中小企業がインボイス制度の対応方法について詳しくご説明します。
目次
インボイス制度が中小企業に与える影響とは?
インボイス制度が導入されることにより、中小企業の業務プロセスは複雑になります。
請求書の保存内容や記載する必要のある内容も増え、消費税の統一された計算方法なども新しく導入されています。
各詳細の変更部分と、これらの手間を最小限に抑える方法をご紹介させていただきます。
請求書の項目への影響とは?
まずは請求書や納品書などの取引時に発生する証明書の記載項目を変更する必要があります。
適格請求書には、請求書だけでなく領収書や納品書、見積書といった取引を証明する書類も含まれます。
ですが適格請求書の下記記載要件を満たす必要があります。
消費税の端数処理の変化
2019年10月1日に軽減税率制度が導入されて以降、インボイス制度が開始されるまでの間、区分記載請求書等保存方式という制度が提供されています。
この制度は、2023年9月30日まで適用されます。
区分経理とインボイス制度において消費税の扱いが異なることに注意が必要です。
区分経理とは、消費税率が10%と8%の複数税率が存在する場合に、それに対応した帳簿や請求書を保存する方法です。
インボイス制度においては、消費税の端数処理についてもルールが定められています。
区分経理では消費税の金額の記載が必要ないため、端数処理が自由でしたが、インボイス制度では消費税の金額の記載が必要となります。
以前は消費税の端数計算が自由に行われていましたが、端数処理についても規定されたルールを守る必要がありますので、この違いに注意して正確な記載を行うようにしましょう。
インボイス制度によるレジシステムへの影響とは?
ここまでで、様々な請求書や書類の仕様や加えなければならない項目が増えることはご理解いただけたかと思います。
インボイス制度はそれ以外にも、取引履歴を詳細に保存しておく必要があります。
これらの対策としてインボイス制度に対応したPOSシステムを店舗に設置する方法が効果的だと考えられます。
インボイスに対応したレジを導入することにより、毎回の取引時に取引詳細がデータ上に自動で保存されます。
さらにインボイス制度への法対策が簡単に行うことができます。
現在お使いのレジがインボイスに対応する予定なのか、もしそうでない場合はインボイスに対応しているレジの導入をご検討ください。
インボイス対応のレジを導入時に活用できる補助金とは?
ここまでで、複雑化するインボイス制度への対応には、インボイス制度に対応したレジを導入する事が得策なのはお分かりいただけたかと思います。
ですが「レジの導入はコストがかかりすぎる…」「特に業務全般にも連携しているインボイスにも対応した高度なレジは非常に高い…」などのお悩みを抱えている方は少なくないかと思います。
そこで、その様なレジを導入する為のコストをかなり抑える事ができる補助金がいくつかございますので、各補助金の詳細と受け取る方法についてご説明させていただきます。
レジを導入する際には補助金を活用し、費用を抑えながらインボイス制度への対応と業務効率化を同時に実現しましょう。
IT導入補助金
IT導入補助金は、企業や団体がITを導入・活用する際に支援を受けるための補助金制度です。
IT導入補助金の中でもデジタル化基盤導入枠は、インボイス制度のためのデジタル化を支援する為のもので、350万円までの支援がされています。
対象となるシステムは、会計システムや受発注システム、決済システム、ECシステムなどが当てはまります。
さらにクラウド利用料やPC・タブレット、レジ・券売機などのハードウェアなどの細かなIT導入の必要な料金も当てはまります。
補助率は補助金の振り込まれる額によって異なり、下記の様に決められています。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、上記のIT導入補助金と同じく小規模事業者などが今後直面するインボイス導入への制度変更に対応するための補助金です。
IT導入補助金との違いとして、小規模事業者持続化補助金にはインボイス枠という専用の制度が設けられています。
このインボイス枠は免税事業者から適格事業者に変更する小規模事業者に対して、補助金の上限額を100万円に引き上げるものです。
補助率は原則として補助対象経費の総額の3分の2となっております。
補助対象となる経費の科目 | 活用事例 |
機械装置等費 | 事業の遂行に必要な製造装置の購入等 |
広報費 | 新サービスを紹介するチラシや看板等の作成等 |
ウェブサイト関連費 | ウェブサイト等の構築、更新、改修、運用 |
展示会等出展費 | 展示会・商談会の出展料等 |
旅費 | 販路開拓等を行うための旅費 |
開発費 | 新商品の試作品開発等 |
資料購入費 | 補助事業に関連する資料・図書等 |
雑用務費 | 補助事業のために臨時に雇用したアルバイト等の費用 |
借料 | 機器・設備のリース・レンタル料 |
設備処分費 | 新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等 |
委託・外注費 | 店舗改装など自社では困難な業務を契約して第三者に依頼 |
この補助金の受給要件としては、下記のような要件がございます。
受給条件 | 内容 |
商業・サービス業 | 常時使用する従業員の数が5人以下 |
宿泊業・娯楽業・製造業その他 | 常時使用する従業員の数が20人以下 |
個人事業主 | 直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと |
補助金の受付締切日の前10ヶ月以内に一般型や低感染リスク型ビジネス枠で採択されていないこと | |
インボイス枠 | 2021年9月30日から2023年9月30日の間で課税期間が一度でもあった免税事業者(または免税事業者であることが見込まれる)事業者であること |
インボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)としての登録が確認できたこと | |
補助事業の終了時点でも要件を満たしていること |
この様な事から小規模事業者持続化補助金は、中小規模の事業者や個人事業主などが対象となっており、事業の新規立ち上げや拡張、設備投資など幅広い項目が支援対象となっております。
ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、商品やサービス開発、生産プロセスの改善、経営革新、などの中小企業や小規模事業者等が今後直面する制度変更に対応するための補助金です。
ものづくり補助金には、通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠、グローバル市場開拓枠などの枠がありますが、インボイス制度はデジタル枠にて利用が可能となっております。
デジタル枠はDXに関連するサービスや製品の開発や生産性向上などのプロセスの改善に必要な設備投資の支援をするためのものです。
補助率は1/2または2/3となっており、補助金額は最低100万円以上かつ金額上限は従業員数によって変わってきますので注意が必要です。
インボイス関連で補助対象となる経費は、機械装置・システム構築費、専門家経費、クラウドサービス利用費などです。
補助額率は業種によって異なり、サービス業の場合は資本金5,000万円以下で従業員数100人以下の事業者が対象となっております。
特定事業者の一部に該当する場合のみ、サービス業で従業員数300人以下であっても対象になります。
ものづくり補助金の受給要件として、以下の要件を満たす3〜5年の事業計画が求められます。
- 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加
- 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
- 事業場内最低賃金を地域別最低賃金に+30円以上の水準にする
- デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供の改善をする
他には審査で取り組み内容の革新性なども問われ、かなり多くの要件が必要となっております。
ですが他の補助金よりかなり多額な金額を受け取れる可能性があるため、全ての要件をご用意できる場合はぜひ挑戦してみてください。
インボイス対応のレジで補助金を受け取る注意点
上記にて様々な補助金が提供されていることはご理解いただけたかと思います。
ですが補助金を受け取る上でいくつかの注意点がございますので、ここからは各注意点についてご説明させていただきます。
補助金の受給を検討している方は、こちらのパートも合わせてご覧ください。
売上が減少する可能性がある
補助金の最初の注意点は、補助金は収入に該当するため課税の対象となります。
そのため補助金を受け取った年度は、何もしなければ課税所得が増えて税金が高くなります。
この解決方法として、補助金で発生する税負担を先延ばしにする圧縮記帳をする必要がございます。
圧縮記帳とは補助金額で固定資産の取得額を減額し、圧縮損として計上することで益金を相手の支払いとして充当する方法です。
つまり補助金を使って取得費用を抑え、その分の利益を支払いとして活用する仕組みです。
ですがこの場合、分割納付となるだけで完全免除されるわけではない点には注意してください。
交付決定日以前の取引は対象外
補助金を受けるためには、補助金の交付が決まってから対象物を購入する必要があります。
補助事業は交付が確定してから実施するものなので、事前に対象物を購入しても補助の対象にはなりません。
対象になるものを購入したい場合は、まず交付が決まってから購入・発注・契約などを進めてください。
また補助金制度ごとに経費支出のルールが異なるため、支払い方法にも注意が必要です。
手形や小切手、商品券、電子マネーなどの決済は多くの場合は補助の対象外となりますので、銀行振り込みが推奨します。
支払いは補助対象期間内に完了させる必要がありますので、クレジットカードで支払いをする場合は引き落とし期間に注意し、補助対象期間を過ぎないようにしましょう。
インボイス制度の対応を考える中小企業が今取るべき行動とは?
ここまででインボイス制度の導入による影響や対応方法、補助金についてご理解いただけたかと思います。
ここからは、上記にてご説明させていただいた事柄以外に事業者様が行う必要がある項目をご説明させていただきます。
内容をご確認いただき対応していただくと、インボイス制度への対応がスムーズに行えますので、ぜひご参考にしてみてください。
適格請求書発行事業者として登録を行う
まず中小企業の皆様が行うべき最初の事項は、適格請求書発行事業者に登録申請することです。
適格請求書を発行するための登録申請の締切は2023年9月30日となっておりますので、お早めにご応募ください。
最初のステップとして、適格請求書発行事業者に登録申請して事業者ごとに提示される固有の登録番号を受け取る必要がございます。
法人の場合の登録番号は「T+法人番号」となっており、個人事業主などは「T+13桁の数字」と表示されます。
適格請求書発行事業者の登録申請の方法は、e-Taxを利用して登録申請する方法と、書面で登録申請する2種類の方法がございます。
適格請求書発行事業者の登録申請を行う際には、以下の手順に従って進めることができます。
1. 国税庁のWebサイトから「適格請求書発行事業者の届出書」をダウンロードします。
2.ダウンロードした届出書に必要事項を記入します。必要な情報には、事業者の名称、住所、連絡先、事業の種類、法人の場合は法人番号などが含まれます。
4.記入が完了した届出書を管轄税務署のインボイス登録センターに郵送します。
5.管轄税務署で提出された申請書を審査し、適格請求書発行事業者としての登録が完了します。
この手続きにより、事業者は適格請求書を発行する資格を得ることができます。
適格請求書を発行することで、取引先との間でスムーズな取引を行い、税務に関する規定を遵守することが可能となります。
こちらの作業は適格請求書発行事業者番号を受け取る上で必須となっておりますので、できるだけお早めに行いましょう。
取引先との調整をする
2点目の注意点として取引先が適格請求書発行事業者であるかどうかの確認も必要です。
もし適格請求書発行事業者ではない場合、仕入控除についての対応を検討する必要があります。
課税仕入に関しては、インボイス制度の開始から6年間の経過措置が適用されます。
これにより、仕入税額相当額の一部を仕入税額とみなして控除ができるようになります。
経過措置を適用するには区分記載請求書と同様の事項が記載された請求書などを保存し、経過措置の適用を証明する帳簿を保管する必要があります。
経過措置を適用できる期間と割合は下記のとおりです。
- 2023年10月1日~2026年9月30日:仕入税額相当額の80%
- 2026年10月1日~2029年9月30日:仕入税額相当額の50%
こちらの注意点は、インボイス制度が導入されることで引き起こる影響の中でも一番大きな事柄なので注意してください。
インボイス制度に対応したシステムの導入
ここまでの説明からわかるように、インボイス制度への対応にはインボイスに対応したレジの導入がおすすめとなります。
従来のレジでは制度の変更に対応できない可能性が高いため、インボイス制度に対応したレジを導入することにより、スムーズな取引や請求書の処理が可能となります。
また会計時のレジだけでなく受発注システムもインボイス非対応の場合は、システムの変更や改修が必要です。
企業がシステムの導入を検討する際には、事前にインボイス制度に対応しているか、または対応予定があるかを確認することが重要です。
現在は対応していなくても使用しているシステムが将来的に対応するかもしれませんので、ご確認してみてください。
中小企業のインボイス対応に最適なPOSレジ「ReCORE」
ここまでで、インボイス制度の概要や対策方法について解説させていただきました。
インボイス制度において、適格請求書を発行・保存・管理が必要となってきますのでシステム上でセキュリティを強化した方法がおすすめです。
そこでおすすめなのが、インボイスに対応したPOSシステム「ReCORE」です。
ReCOREは、小売・リユースに特化したクラウド型POSレジとして買取機能・販売機能・EC管理機能・顧客管理機能・在庫管理機能・分析機能など、運営業務に必要な機能を多数揃えたシステムです。
これらの機能を活用することで業績UPや顧客の満足度向上なども実現することができます。
ここからは、ReCOREの各機能について解説させていただきます。
EC出品機能
また、EC業務の改善を望む方々や、店舗とECの併売に悩む方、EC業務の効率化を図りたい方、複数のECモールを管理する課題に直面している方々にとっても、ReCOREは検討に値する解決策となります。
ReCOREのEC機能には、Amazon、楽天、Shopify、メルカリShops、Yahoo!オークション、Yahoo!ショッピング、楽天ラクマなど、多岐にわたるECモールとの連携が可能です。
ReCOREのEC管理機能を利用することで、店舗とECモールの在庫をリアルタイムで調整することができます。
これにより、在庫の不整合による売り違いなどのリスクを最小限に抑えることができます。
さらに、ReCOREのテンプレート機能を使用すれば、たった3クリックで商品を簡単に出品できます。
また、ReCOREはShopifyとの会員連携もサポートしており、会員のお客様に対してEC店舗間のポイント連携も可能です。
ReCOREを活用することで、多様な販売チャネルを通じて顧客にリーチし、ビジネスを成功に導くことができます。
在庫管理機能
ReCOREは在庫管理機能を備えており、複数のECモールで販売している商品の在庫を一元的に管理することが可能です。
この機能により、各ECモールごとに在庫情報を手動で変更する必要がなくなるので、人為的なミスを減らすことができます。
またReCOREでは在庫の入庫後の経過日数や原価率まで把握することができます。
これによって売れ筋商品や在庫滞留期間が長い商品を明確に把握できるだけでなく、各商品の利益への貢献度なども把握することが可能です。
さらにReCOREは実店舗とECモールの在庫情報を連携させることもできます。
これにより、複数のECモールだけでなく、複数の実店舗の在庫情報を一括して管理し、企業全体の在庫状況をリアルタイムに可視化できます。
これらの機能により企業は在庫管理を効率化し、商品の売れ行きや利益に関する情報を的確に把握することができます。
顧客管理機能
店舗運営において、一度来店してくださった顧客の情報を効果的に管理し、リピート集客を行うことは非常に重要です。
ReCOREの顧客管理機能は、顧客情報の管理に加えて、売買履歴の確認やポイント機能、顧客属性の分析などが可能です。
さらに、SMSやメール、LINEを活用した販促メッセージを送信することもできます。
顧客分析機能を使って、顧客を最終来店日や来店頻度、売買金額の3つの指標で分類することで、より正確なターゲティングを可能にし、メッセージの送信ができます。
またReCOREはLINEミニアプリと連携できるため、デジタル会員証を低コストで導入することが可能です。
LINEミニアプリにはポイント機能や買取履歴を確認することができ、顧客満足度につなげることができます。
これらの機能により、過去にご来店いただいた顧客への効果的なリピート集客を実現することが可能です。
買取機能
ReCOREは、リユース業者専用のPOSシステムとして、査定の属人化の解消を実現できる買取機能も備えています。
この機能により、他のECモールで同じ商品の価格帯や、過去の買取価格などを簡単に確認することができます。
買取アシスト機能により、そのようなスタッフでも買取業務を行うことが可能となり、買取作業の効率向上に寄与します。
さらに、ReCOREはインボイス制度や古物商特例にも対応しているため、インボイス制度下でもスムーズに対応いただけます。
ReCOREの多機能性と柔軟性、そしてインボイス制度への対応性は、リユース業界における経営効率化とサービス向上を実現するために非常に有益なツールとなることでしょう。
現場経験豊富なスタッフによるサポート
ReCOREの運用のメンバーのなかには、リユース・リテール業界の経験が豊富なメンバーも非常に多いです。
オンラインミーティング、電話サポート、無料チャットなどで導入や保守に関するサポートを受けて頂くことができます。
また、迅速な機能開発なども、開発チームが常に行っておりますので、更新が常に行われております。
このように、弊社のリユース業界の経験が豊富なスタッフからのサポートを受けられることで、スムーズにReCOREを導入するメリットの1つです。
まとめ
この記事では、インボイス制度によって中小企業にどのような影響があるのか、その影響に対する対応方法から補助金制度の詳しい概要までご説明させていただきました。
インボイス制度は企業のDX化を促進させるための制度である事から、リユース・小売業界の方にはインボイスへの対応を行うためにPOSレジシステム「ReCORE」の導入をおすすめします。
POSレジシステムを導入することにより、スムーズに電子インボイス化が可能となっております。
ReCOREについてさらに詳しく知りたい方は、下記のボタンからお問い合わせ・資料をダウンロードして頂けますと幸いです。