リユースはSDGsの何番?アパレル企業が取り組みを始める背景とは
SDGsは持続可能な開発目標として世界的に認知されています。
そんなSDGsはリユース事業と密接な関係にあります。
リユースという取り組み自体がサステナブル取り組みといえますが、リユース品を利用する方だけでなくリユース事業においてもサステナブルな取り組みを行うことができます。
ここからはリユースが社会に貢献できる取り組みやSDGsの取り組みによる経営や環境への効果を紹介していきます。
最後にリユース事業者におすすめのサービスを紹介していますので、最後までご覧ください。
目次
リユースとは
リユースとは使用済みの製品や素材を再び形を替えずに、繰り返し使うことです。
リユースをすることで製品の寿命を延ばし、廃棄物を減らすことで環境への負担を軽減することを目指しています。
リユースは、単に物を再利用するだけではなく、持続可能な消費と生産のサイクルを作り出すための重要な手段です。
特にアパレル業界においては、リユースは廃棄される衣服の量を減らし、天然資源の消費を抑え、環境汚染を低減するための有効な戦略となっています。
衣服をリユースすることで、製造段階で発生する二酸化炭素の排出や水の使用量を削減し、より環境に優しい消費行動を促進することができます。
また、リユースは単に環境面だけでなく、経済的な側面にも影響を及ぼします。
中古品市場の拡大により、多様な商品が手頃な価格で利用可能になり、消費者に新たな選択肢を提供します。
さらに、リユースされた製品の需要が高まることで、新たなビジネス機会や雇用の創出にも寄与しています。
このように、リユースはSDGs、特に責任ある消費と生産(目標12)に直接貢献し、地球温暖化の防止や貧困削減など他の目標にも間接的に影響を与えています。
リユースの歴史
平安時代に執筆された「落窪物語」に記載されている「白き袷(あわせ)ひとつをこそ着てゐたりつれ。子どものふるぎぬやある」という文章があります。
この「ふるぎぬ」は古衣とかかれ、まさに古着のことを指しており、平安時代から服のリユースが行われてきたと考えられます。
平安時代からリユースの概念は、過去数十年にわたり、社会的および環境的認識の変化に伴って進化してきました。
そこから時を経て現在になり、リユースを行うことに対する経済的な必要性が生じてきています。
資源が限られている状況や経済的制約の中で、製品や素材を再利用することは、単にコストを節約する手段でした。
しかし、20世紀後半に入ると、環境保護の概念が広まり、リユースは持続可能な開発の一環として新たな意義を持つようになりました。
特に、1990年代に持続可能な開発目標(SDGs)が国際社会に導入されたことで、リユースは環境保護や資源の有効活用の重要な手段として認識されるようになりました。
また、インターネットとスマートフォンの普及は、リユース市場に革命をもたらしました。
メルカリやAmazonといったオンラインプラットフォームが登場することで、個人間での商品の売買が容易になり、中古品市場が大きく拡大しました。
これにより、中古品に対する抵抗感が薄れ、リユースがより一般的な消費行動として受け入れられるようになりました。
リユースすると未来はどう変わる?
現在リユースが行われていないことにより、環境への影響が大きくなっていることが問題として浮き彫りになってきています。
特にアパレル業界においては、大量生産と大量廃棄が一般的な現象となっており、その結果として環境への負荷が増加しています。
服1着を作るためには、約2300リットルの水が必要とされ、その生産プロセスだけでなく、廃棄されるまでの過程で大量の資源が消費されています。
未リユースの衣服が廃棄されると、その多くが埋立地に送られ、分解には数十年を要することがあります。
特に、合成繊維から作られた衣服は、分解が非常に困難で、環境に長期間残留する問題を引き起こします。
また、廃棄された衣服からは有害な化学物質が漏れ出し、土壌や水源を汚染するリスクもあります。
このような背景から、アパレル業界ではリユースやリサイクルの重要性が高まっています。
一度流通した衣服をリユースすることで、これらの環境への負荷を大幅に減少させることが可能です。
また、リユースを促進することは、持続可能な消費の促進にも繋がります。
さらに、リユースされない衣服は、社会的な機会の損失でもあります。
多くの地域やコミュニティでは、衣服が不足しており、リユースされた衣服が大きな役割を果たすことができます。
リユースを通じて、必要とする人々に衣服を提供することは、社会的な貢献にもつながります。
SDGsとは
持続可能な開発目標(SDGs)は、国連によって2015年に採択された、2030年までのグローバルな目標です。
これは、経済的、社会的、環境的な持続可能性を確保するための17の目標と169の具体的なターゲットから構成されています。
これらの目標は、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するためにに共同で取り組むことを目指しています。
SDGsは、国際社会が直面する多くの課題に対する普遍的なアクションプランとして設計されており、全ての国が開発途上国であろうと先進国であろうと、その達成に責任を持っています。
17のゴールとは
SDGsの17のゴールは、地球規模の持続可能な発展を目指す包括的な目標群です。
これらには、あらゆる形態の貧困のなくそう(目標1)、飢餓の終結と持続可能な農業の推進(目標2)、健康と福祉の保障(目標3)、質の高い教育の提供(目標4)、ジェンダー平等の達成(目標5)、そして清潔な水と衛生の普及(目標6)などが含まれます。
これらのゴールは、地球の持続可能性を保ちながら、すべての人々の生活の質を向上させることを目指しています。
また、これらの目標は相互に関連しており、一つの目標の達成が他の目標の達成にも影響を与えます。
リユースに関連するゴールとは
リユースはSDGsの中でも特に目標12「つくる責任 つかう責任」に密接に関連しています。
この目標は、資源の持続可能な管理と廃棄物の削減を通じて、持続可能な消費と生産のパターンを確立することを目指しています。
リユースは、製品の寿命を延ばし、廃棄物の削減と資源の再利用を促進することで、この目標の実現に寄与します。
これにより、資源の効率的な利用が促進され、環境への負荷が軽減されるため、気候変動への対策(目標13)、生態系の保護(目標15)、持続可能な都市とコミュニティの構築(目標11)など他の多くのSDGsの目標にも間接的に貢献しています。
リユースの推進は、限られた資源を効率的に利用し、将来世代のために持続可能な環境を守ることにも繋がります。
SDGsを取り入れるメリット
特に大きなメリットとしてはマーケティング効果、競争力の向上、リスク削減、国際的なパートナーシップの構築があげられます。
この内容についてここから解説していきます。
大きなマーケティング効果
アクセンチュアの調査によれば、今後30年間でミレニアム世代が蓄積した68兆ドル相当の富が、より倫理的な購買価値観を持つ新世代の消費者に移行すると予測されています。
この傾向は、企業にとって重要なマーケティングの機会を示しています。
新世代の消費者の60%以上が、ブランドの倫理的価値観や目的に基づいて製品を選んでおり、使用する製品がどのように製造されているか、労働慣行が公正で持続可能であるかに深い関心を寄せています。
SDGsを取り入れたブランディングとマーケティング戦略は、このような消費者の関心を引き付け、ブランドの忠誠心を築く強力な手段となり得ます。
企業がSDGsに対する取り組みを消費者に伝えることで、企業の信頼性と評価を高めることができます。
競争力の向上
SDGsの目標に沿った活動は、企業に競争上の優位性をもたらします。
世界的にSDGsの取り組みが行われているなかで、企業の活動は注目されています。
サステナビリティへの取り組みは、投資家やビジネスパートナーからの評価を高めることもあり、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性があります。
サステナブルな経営は、長期的なビジネスの安定性と持続可能性に直結します。
特に環境問題への取り組みは、法的規制や社会的な期待の変化に対応する上で重要です。
SDGsに取り組むことで、企業は環境リスクや規制違反のリスクを低減でき、将来にわたる事業の継続性と成長を確保することが可能になります。
また、サステナブルな供給チェーンの管理は、リスク軽減においても重要な要素です。
これにより、企業は予期せぬコスト増加や供給の中断を防ぎ、事業運営の安定性を高めることができます。
サステナブルな目標を掲げることにより、リスクの軽減を図る事で事業の安定化に一歩近づき、他社と比較した際に競争力の差を生み出すことができるかもしれません。
国際的なパートナーシップの構築
SDGsの取り組みは、国際的なパートナーシップを築く絶好の機会を提供します。
17番目の目標「パートナーシップによる目標の達成」は、SDGsの全体的な目標達成に不可欠です。
企業間同士や国、政府、市民社会とのパートナーシップを構築することは持続可能な開発目標を達成する為に必要です。
このようなパートナーシップは、新しいサービスや技術、知識が生まれることにもつながり、企業の国際的な影響力を拡大し、グローバルな市場での存在感を高めることに貢献します。
また、異なる分野の専門知識やリソースの共有により、イノベーションを促進し、ビジネスの成長を支える新しい機会を創出します。
リユースが環境に与えているメリット
リユースは経営上のメリットをもたらす以外にも環境への良い影響も大きく与えます。
リユースを行うことでもたらすことができるメリットについて解説していきます。
ゴミの削減
日本国内におけるごみの総排出量は、2017年の調査によると4,289万トンに上り、これは東京ドーム約115杯分に相当し、1人あたり1日あたり約920gのごみを生み出しています。
このような大量のごみ発生を抑制する為の一つの手段としてリユースは重要な役割を果たします。
使用済みの製品や素材を再利用することで、新たなごみの発生を減らし、環境への負荷を軽減することが可能です。
リユースによって削減されるごみ量は、埋立地の圧迫を軽減し、廃棄物処理に関連する環境汚染のリスクを低減します。
このプロセスは、資源の効率的な利用を促進し、持続可能な廃棄物管理システムの構築に貢献します
二酸化炭素の排出量を減らす
リユースの取り組みは、二酸化炭素の排出量を顕著に減少させる効果があります。
これは、新品の製造や輸送に伴うエネルギー消費および排出量を削減することがリユースを行うことで期待することができることによるものです。
リユースの推進は、製造から廃棄に至る製品ライフサイクル全体での二酸化炭素排出を抑制し、気候変動への対策に直接的な効果をもたらします。
これは、環境への影響を最小限に抑えながら経済活動を継続するための重要な戦略となります。
お財布にやさしい
リユースは、経済的なメリットも提供します。
中古品は新品と比較して、商品によっては50~75%程度安くなることが多く、これは消費者にとって経済的な負担を軽減します。
リユース品の購入は、特に家計に制約のある人々にとって重要な選択肢となり得ます。
SDGsの1番目の目標は「貧困をなくそう」ですが、リユースはこの目標の達成にも貢献します。
安価なリユース品の提供により、必要な物品を手頃な価格で入手できるようになることは、社会的な包摂性を高め、経済的な貧困の軽減に寄与します。
さらに、リユースは資源の有効活用に貢献し、持続可能な消費行動の促進にも繋がります。
リユース事業者が環境に配慮する上で改善できることとは?
リユース業者は商材と同様にごみを減らすような運営を行うのが一番です。
ここではリユース事業者がどのように環境に配慮した取組ができるかを解説していきます。
ペーパーレス化を行う
リユース業者は個人情報を取り扱う業態であり、古物台帳を保管しておく必要があります。
事業者によっては紙で管理している方もいると思います。
古物台帳の保管は電子デバイスで管理することも可能です。
POSシステムなど資源を必要としない管理方法を行うことで、サステナブルな取り組みを行いながら経営を行うことができます。
システムで情報を一元管理する
リユース業界で事業を営む方は、商品の個品管理や顧客情報の管理、売上の管理、スタッフの管理、販売の管理など他の業界と比べて管理することが多いです。
業務フローごとにバラバラに管理している場合はより管理コストが必要になってしまいます。
POSシステムや一元管理ツールを使用することで、業務工数の大幅な減少を実現できるため、電気代などのコストも抑えることができるため、サステナブルな取り組みと言えます。
リユース事業は管理すべきことが多いからこそ、管理ツールを導入して業務工数を減らしていくことが環境にも優しく、売り上げを向上させるためのポイントです。
リユースの総合商社「株式会社NOVASTO」
株式会社NOVASTOは、「いい循環から最適なコマース体験を。」をMISSIONとして掲げるテックカンパニーです。
弊社は小売・リユース専門のクラウドPOSシステム「ReCORE」を中心とした、小売業界向けのソリューションを提供しています。
リユース業務を最適化するPOSシステム「ReCORE」やスモールビジネスや副業を行いたい方におすすめの「セルモア」、古着のEC出品業務を手助けする「ささげ代行・出品代行」、中古市場への参入を支援する「MEGURU」を提供しています。
ここからは弊社が提供する小売り・リユース事業者を支えるサービスを紹介していきます。
MEGURU
近年SDGsや循環型消費が重要視されてきており、新品を販売する1次流通の企業が中古品を販売するケースが増加傾向にあります。
ですが、リユースへの参入は1次流通にはない買取・コンディションの異なる商品の管理など行う必要があるため、参入障壁が高いです。
その様な参入障壁を無くすために弊社のサービス「MEGURU」があります。
MEGURUのサービスは立ち上げ時のコンサルティングから、買取・販売・在庫管理・顧客管理までを支援します。
さらにオンラインショップのオペレーション代行も請け負うことができます。
新規のリユース事業に弊社が総合的に関わることで、無駄なコストやコミュニケーションを最大限に減らし、スムーズな運用を目指します。
ReCORE
ReCOREは小売・リユース専門のクラウドPOSシステムで、特にリユース業務に強いPOSシステムです。
リユースは小売り事業と比較して、顧客の個人情報の管理や商品の状態ごとの管理、仕入・販売価格の変化などを全て管理していなければ、経営が難しくなります。
ReCOREはリユース業務で発生する情報を一元管理することができます。
ReCOREでは商品1点1点を個品として管理することができ、その商品の仕入先や在庫数量などの情報を管理することができます。
また、約1億点の商品マスタを活用することで、買取時の商品の特定や過去の取引履歴の参照、販売価格などを把握することができます。
仕入れた商品を約2分程で最大7モールへ同時出品することができるため、ECモールへの出品に対する手間を大幅に削減することができます。
またリユース商品の売買では顧客情報の保管として、古物台帳の管理が義務づけられています。
その古物台帳もシステム上で管理することができるため、サステナブルな管理を実現することができます。
セルモア
古着屋でネットショップ販売業務を効率化したい方、副業やスモールビジネスを始めたい方におすすめなのが「セルモア」です。
セルモアは複数モールで併売する際に発生する出品作業や在庫連動、受注管理を全て一元管理することが可能です。
そのため出品作業を1回行うだけで複数モールへの同時出品が可能となっております。
セルモアでは古着に強いメルカリShopsや楽天ラクマ、Yahoo!オークションに加えてShopifyで作成した自社サイト、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングの合計7モールへの同時出品が可能です。
また出品作業自体もテンプレート機能があるので、10分以上かかるとされる1商品あたりの出品が効率的に行うことが可能です。
受注管理も一元化されており、どこかのモールで販売されたら自動でその他のモールから在庫を取り下げることもできます。
セルモアは、月額11,000円(税込み)で固定金額となっており、出品数が多い方でも比較的手頃な価格で提供しています。
導入を悩んでいるという方に向けて、1ヶ月お試しで無料期間もあるのでまずは無料期間に使ってみてから導入することも可能です。
古着屋をネットショップで開業したいという方にとって業務効率化が可能な機能が多数揃っておりますので、開業する際にはぜひセルモアの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
出品代行
出品代行の利用を検討している方にはEC出品業務のスタッフの不足や店舗で十分な出品スペースを取れない、EC出品に人材を割けないなどの悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
当社の出品代行では商品の発送、出品作業、出品結果通知、ご精算までの業務を行うため、出品に悩みを抱える事業者の方におすすめのサービスとなっています。
MEGURU出品代行では新品業界の方、リユース業者の方のどちらにもメリットがあるサービスです。
新品業界の方であれば出品代行を活用した、低コストかつスピーディーな二次流通市場への参入を期待することができ、既存顧客への新たな接点を生み出すことができます。
リユース業界の方であれば出品代行を活用した、在庫の循環スピード向上による在庫滞留時間の大幅減少を期待することができます。
新品・リユース品の出品から発送までの業務をMEGURU出品代行でマルっとお任せください。
ささげ代行サービス
ささげ代行サービスとはアパレルや古着などのEC販売にかかる工数を大幅に削減するために提供しているサービスです。
ReCOREでは、EC出品の際の「商品撮影」「寸法計測」「商品説明文の作成」という商品を販売するための重要な作業を代行しています。
個品ごとに異なる状態を考慮した商品説明文や1商品ごとの撮影など手間がかかってしまう業務を弊社で請け負うことで、今まで滞留在庫となっていた商品を滞留させずに販売することができます。
滞留在庫を減らすことで在庫回転率を増加させることができ、理想的な経営を実現することに近づきます。
商品写真や寸法の商品情報の入力は売上や顧客満足度に大きな影響を与える業務です。
この業務を経験とノウハウを蓄積してサービスを提供する弊社に請け負うことで、顧客満足度を高く維持した販売を実現します。
まとめ
リユースはSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に関係しており、とても環境によい取組であると言えます。
近年は新品をメインで取り扱いしていた企業もリユース業界に参入して来ており、サステナビリティな経営方針を掲げて事業の拡大に取り組んでいます。
リユース品を使用する以外にもリユース事業者は管理などを紙で行うのではなく、POSシステムを用いて管理することで環境に優しい経営を実現することが求められています。
リユース事業者が環境へ配慮しながら、事業を大きくしていくためにも弊社が提供するサービスを利用することをおすすめします。
弊社のサービスに少しでも興味を持たれた方がいれば、こちらにお問い合わせ下さい。
監修者:本荘 幸大
卒業後は株式会社船井総合研究所に入社し、ヘルスケア業界やフィットネス業界、飲食業界など幅広い業界のコンサルティングに従事。その後2022年4月より最年少メンバーとしてNOVASTOに入社し、リユース・リテール企業へのコンサルティングを行いながら社内ではマーケティングチームの立ち上げも行っている。